By Bill Dickinson

2020年ごろの実用化を目指してGoogleやUber、そして名だたる自動車メーカーが開発を続けている自動運転カーですが、IT関連調査会社ガートナーの調査によると、社会の半分以上の人は、操作がまったく必要のない完全自動運転カーには乗りたくないと感じていることが明らかになりました。

Consumers still anxious about autonomous cars, says Gartner

https://www.cnbc.com/2017/08/24/consumers-still-anxious-about-autonomous-cars-says-gartner.html

ガートナーはアメリカとドイツに住む1500人を対象に、2017年4月から5月にかけて調査を実施。すると、その半数以上にあたる55%の人はまだ完全自動運転カーには乗りたくないと答えたことが明らかにされています。その理由はやはり、「ひょっとしたら誤動作を起こすかも知れない」という安心感の低さが主なものとなっているようですが、その一方で、部分的な自動運転カーであれば70%の人が乗っても良いと考えていることから、今後の自動運転カーの進むべき道が浮き彫りにされています。

自動運転カー推進派は、道路上で起こっている事故の多くは人間の操作ミスや判断ミスを原因とするものが多くあるとしており、AIを搭載した自動運転カーが普及することで、ミスによる事故は大幅に削減できると考えています。しかし消費者の多くは、実際にコンピューター機器が誤動作することを体験していることから、まだまだ全幅の信頼を自動運転カーに置くには至っていないという現実がある模様。ガートナーの調査責任者であるマイク・ラムゼイ氏は「最大の問題は、自分の制御がおよばない状態の車の中にいる羽目に陥ることを人々が恐れている、ということです」と語り、自動運転カーを設計する際には、実際のメーター画面をディスプレイに表示させたり、自動車と何らかの対話を行うことができるインターフェースの開発に注力すべきだと語っています。



By Automobile Italia

ガートナーの調査によると、人々が完全自動運転カーに乗ることを恐れる理由は大きく二つあり、一つは予期せぬ状況に陥ったときに自動車のAIが混乱してしまうのではないかというもの。そしてもう一つは、機器の誤動作により自身が危険にさらされるかもしれないという恐怖だとのこと。

もうひとつ興味深いところは、部分的な自動運転カーでさえも乗りたくないという人が、まだおよそ30%もいるというところにあります。その理由は、上に挙げた「AIの混乱」と「機器の誤動作」の2点ではありますが、この人たちが恐れているのが、エラーが起こった際に自分が操作を引き継ぐとしても、事故が起こるまでの短時間の間に自分がコントロールできるようになるかわからない、という現実的なリスクであるとのこと。



By Richard Giles

一方、自動運転カー許容派の人たちは、UberやCar2Goのようなカーシェアリングサービスを利用した経験がある人が多く、最新のテクノロジーやサービスに触れている人ほど自動運転カーに対する障壁が低そうであるという傾向が浮き彫りになっています。これらのサービスを利用した経験がある人は、2年前の調査の時に比べて19パーセントから23パーセントに増加しているとのことですが、その多くの人が都市部に住んでいる人であることもわかっています。

2020年の実用化に向け、自動運転カー技術の開発はものすごいスピードで進んでいますが、実は最も遅れているのが消費者のマインドの醸成である、という状況があるということなのかも。