インド北部ハリヤナ州シルサで、宗教指導者ラム・ラヒム・シン被告の教団「デラ・サチャ・サウダ」の施設に向かう治安部隊員ら(2017年8月26日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】インド当局は26日、北部ハリヤナ(Haryana)州シルサ(Sirsa)に兵士数百人を派遣し、女性信者2人に対する性的暴行罪で有罪判決を受けた宗教指導者ラム・ラヒム・シン(Ram Rahim Singh)被告の教団本部を包囲した。判決に反発した信者らが暴徒化し、これまでに少なくとも36人が死亡している。

 軍の部隊と警察の機動隊は、シルサにあるラム・ラヒム・シン(Ram Rahim Singh)被告(50)の404ヘクタールにおよぶ教団本部の敷地へ続く複数の道路を封鎖した。 

 匿名の警察関係者がAFPに語ったところによると、シン被告の教団「デラ・サチャ・サウダ(Dera Sacha Sauda)」の学校や病院、スポーツ施設、映画館などがある小さな町のような本部敷地に信者ら約2万人が立てこもっているという。

 この警察関係者はAFPに対し、「(本部のある)地域には外出禁止令が敷かれている。状況は緊張しているがコントロールはされている」 と述べた。テレビは教団本部の門の前で配置についた重武装した兵士らの姿を放送した。

 しかしラジパル・プニア(Rajpal Punia)陸軍少将は報道陣に対し、現時点で教団本部に突入して中にいる人たちを排除する計画はなく、「法と秩序の維持だけを行っている」と述べた。

 インドのPTI通信(Press Trust of India)が伝えたところによると、25日の判決が出た直後に同州パンチクラ(Panchkula)とシルサで暴動や放火事件が発生し、これまでに教団メンバー15人が逮捕された。

 警察当局によると、有罪に怒った数万人の信者が暴徒化してテレビ局の車両を襲撃したほか、車両数十台に放火するなどしてこれまで少なくとも36人が死亡した。

 ハリヤナ州警察のトップ、B・S・サンドゥ(B. S. Sandhu)警察長官はAFPに対し、「最新の情報によると、パンチクラで30人、シルサで6人が死亡した」と語り、200人以上の負傷者のうち約50人が警察官や治安要員だと付け加えた。

 宝石で飾り立てた服装を好むシン被告は「派手な装飾品のグル」として知られており、世界中に5000万人以上の忠実な信奉者を持つと主張している。

 シン被告の性的暴行容疑は2002年、当時のアタル・ビハリ・バジパイ(Atal Bihari Vajpayee)首相に送られた匿名の手紙で発覚した。手紙には、シン被告は手紙の送り主を繰り返し性的に暴行し、教団には同様の被害を受けている女性が複数いると書かれていた。

 これを受け裁判所はインド中央捜査局(CBI)に捜査を依頼したものの被害者の特定に数年かかり、2007年にようやく2人の女性が名乗り出てシン被告を告訴していた。
【翻訳編集】AFPBB News