ヘルタ戦もベンチスタートだった香川真司【写真:Getty Images】

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ボルシア・ドルトムントは26日、ブンデスリーガ第2節でヘルタ・ベルリンをホームに迎え、2-0で勝利した。63分から投入された香川真司には、確かな役割があった。 (取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

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2試合連続ベンチスタートの香川。投入は2点リードになってから

 また1つ、前進した。ボルシア・ドルトムントがヘルタ・ベルリンを迎えたブンデスリーガ第2節。アップを続けていた香川真司が呼ばれたのは63分のことだ。ペーター・ボス監督から「最後の3分の1の中で違いを作れ」と指示を受けた背番号23は、ゲッツェとの交代でピッチに入っていった。ポジションはインサイドハーフ。香川が同ポジションを務めるのは、今季ではこれが初めてのことである。

 その時、スコアは2-0でドルトムントがリード。ヘルタは格上相手に決して自陣に引き籠もろうとはしなかった。ディフェンスラインを高めにして守備ブロックを形成し、ボールを奪えば攻撃に転じようとする。しかしヘルタが守備から入ったことで、ドルトムントは必然的にボール・ポゼッションで上回ることになった。敵の高めのライン設定によって、黒と黄色のホームチームは、少なからず「最後の3分の1」でスペースを見つけることができた。15分には、前線に上がったワンボランチのシャヒンが、ペナルティエリアの左の角から入れたアーリークロスを、オーバメヤンがダイレクトで合わせて先制。熱に浮かされたスタジアムの雰囲気に乗せられたドルトムント。前節ボルフスブルク戦に続いて、攻守の切り替えに余念はない。集中して優位にゲームを進めた。

 後半に入ると、前半に比べてヘルタはプレスを掛けてくるようになったが、それでもドルトムントの優勢に変わりはない。オーバメヤンが中盤に下がってボールを受け、フィリップとプリシッチの両ウインガーがシュートまで持っていく。57分にはシャヒンのスーパーミドルが炸裂。こうして2-0とリードが広がり、有利な展開で、香川は投入されたのだ。

 しかし香川によれば、試合が「決まっている感はなかった」という。

「2点差は危険なスコア」。微妙な心理状態での意識

「やはり2点差っていうのは、ある意味、怖いスポーツですし、相手に一発のスピードのある選手がいる中で、一発やられたら分からない状況だったので、そこはちょっとチームとしてもナーバスというか、ちょっと慎重になっていた」

 リードを奪われたヘルタが前がかりになってきている中で、2点を守り切るのか、3点目を奪いに行くのか。少し曖昧な状況に、難しさを感じた。リスクを負わずにシンプルに前線のスピードを活かしてゴールを狙う。そんなチームの流れを意識したという。前を向いた時にはフィリップにパスを送り、ヘルタのゴールを脅かそうとした。それでもヘルタの捨て身の攻勢の中での途中出場に、難しさはあったようだ。

「カウンターであったり、失点が怖かったっていうのはチームとしてあったので、あまり、僕にボールが入ってくる回数も少なかったし、組み立ての段階ではちょっとなかなか、ここ2試合もそうですけど、まだまだ、改善の余地はあるのかなあと思います」

 一方で1対1の場面では競り勝つことが多く、プレーに力強さが戻ってきている。バイザーから強引にボールを奪うところもあった。

「個人としてはやはりそこは負けてはいけないと、途中から入った身としては、守備的なところではそこは意識しましたし、そこは問題なくコンタクトできているのかなと思います」

 得点やアシストこそなかったものの、前節に比べれば出場時間も増え、ヘルタ戦では、何より本職のポジションでの起用となった。ボス監督は段階を踏んで香川の出場時間を増やしていく意向だという。

 目指すのは、もちろん先発出場だ。

「試合にスタメンから出た時に、もっともっと僕は、やれるっていうイメージを持っているし、その自信はすごく感じています」

 1歩ずつ前進している香川。スタメンで戦うための、強い気持ちは整っている。

(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋