「Googleで"tourist"って画像検索してみて。バックパッカーとか留学生とか、旅する人の画像がたくさん出てくる。でももう少し目を凝らすと、何か足りないことに気づくはずなの──」。

Cheryl Fauxさんは、アメリカ、オークランドの黒人女性フォトグラファー。「Traveling While Black」と銘打って、自らのイタリア旅行をセルフポートレイト集にしている。

実は彼女、旅行系ストックフォト(※)に「黒人女性」が欠如していることに対して疑問を投げかけているのだ。

※頻繁に使用されるであろうシチュエーションで予め用意された写真素材

「白だけ」は嘘
そうみんなに伝えたかった

実際、画像検索で tourist と打ち込むと、出てくる有色人種の圧倒的少なさに驚く。並べられた画像の中ではどれも白人が微笑んでいて、黒人女性が写っている写真は100枚ほど見て3,4枚程度という印象。

「黒人、特にアメリカの黒人女性が海外旅行をすることはめったにないって考えが根付いてるの。広告用の写真素材でもそういうものはほとんど作られていないわよ」。

そこで彼女はイタリアを訪れ、旅行中、自分の姿を写真に収め続けた。お洒落なファッションで魅力的な観光名所を巡り、生き生きと旅を楽しむ、強く美しい黒人女性の姿を。

「海外に出て留学したり、旅行したりするのは白人の男女だけっていう偏見を取り除きたかった。それは嘘だって、みんなに伝えたかったの。

他のみんなと同じように、私たちだって外へ向かう情熱を持ってる。世界中の、まだ見ぬ美しい、心踊るものに出会いたい、冒険したいって思ってるの。映画『食べて、祈って、恋をして』みたいな瞬間は、白人だけのものじゃないわ」

外の世界に踏み出す勇気を

「今の政治情勢だと、国籍や人種によっては、特定の区域に行くのを怖がる人や自分の国から出たがらない人も多い。だけどこのシリーズを撮ることで、私は本気で、その逆を見せつけようと思ったの。旅行者が違いを受け入れて、それに目を向けることは、全ての人にとっていい学びの機会になると思うから

一見自然な旅行写真にも見えるこの作品には、彼女が有色人種の、黒人の女性であること、フォトグラファーであること、そのほかにもたくさんの伝えたいことが詰め込まれている。

Licensed material used with permission by Cheryl Faux