内田はウニオンに欠けていた「最後のピース」 悲願の1部初昇格へ期待される“潤滑油”の働き

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日本人右SBの獲得を喜ぶ強化担当シュルテ氏 「大きな助けになると確信している」

「我々が長い間探していた右サイドバックの補強を、非常に良い形で達成することができた。内田篤人というとても経験豊富な選手を獲得することができた。大きな助けになると確信している」

 ウニオン・ベルリンの強化担当ヘルムート・シュルテは内田の獲得を喜び、「我々に欠けていた最後のパズルのピース」と評した。

 欠けていたピースがはまったということは、ウニオンはイメージ上の完成を迎えたということになる。昨季のチームには守備戦術が浸透していた。ボールを奪ってからの素早い攻撃で、勝ち点を積み重ねることができた。だが、悲願の1部初昇格が見えてきたはずの終盤に入ると途端に負けが込む。警戒された相手に守備を固められ、攻めあぐねてミスから失点という悪循環にはまってしまったのだ。

 最終的に4位でブンデスリーガ2部を終えたウニオンが今季目指すのは、もちろん昇格だろう。だが、昨季惜しいところまで行ったから、今季も昇格争いに絡めるという保証はない。2015-16シーズンに2部で4位だったザンクトパウリは、昨季序盤は一時最下位にまで沈み、残留争いに巻き込まれていた。戦力補強がされたうえで、チームとしての歯車が噛み合わなければプラスの力にはならないのだ。

左SBペデルセンに移籍の可能性が浮上

 内田獲得がプラスに働くと見られているのは、その潤滑油になりうる最適な選手だからだ。ボールを収め、攻撃のリズムをコントロールし、味方が動きやすいようにサポートをする。相手守備の綻びを見逃さずに、危険なくさびを前線に打ち込むことができる。様々な「経験」に裏打ちされた判断のスピードと最適な選択は、他に類を見ないレベルにあると言っても過言ではない。

 現在、右サイドバックのレギュラーである元オーストリア代表DFクリストファー・トリンメルは、イェンス・ケラー監督から高い評価を受けており、そう簡単にスタメンから外されることはないかもしれない。だが、最近はプレーパフォーマンスが安定していないのも事実だ。また左サイドバックのデンマーク人DFクリスティアン・ペデルセンが移籍する可能性もあることから、どちらかが左サイドバックに回ることも考えられる。

 27日のビーレフェルト戦から始まる、内田のブンデスリーガ2部での挑戦。2012年から14年までシャルケで指導を受けたケラー監督の下で、どれだけ早くチームに順応できるかが注目されている。

【了】

中野吉之伴●文 text by Kichinosuke Nakano

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images