去就問題に端を発し、厳しい状況からスタートしたシーズンだが、原口は自らの力で出場機会を獲得している。その強さで日本代表を牽引することが期待される。写真はプレシーズンのもの。 (C) Getty Images

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 プレシーズンでは、ベンチ外や右SBをやらされるなど、“飼い殺し”とも思える待遇だった原口元気だが、いざリーグが開幕すると、途中出場ながら2試合連続で出場機会を得ている。
 
 
 開幕白星スタートを飾ったチーム同士の対戦となった第2節のドルトムント戦では、2点ビハインドの58分から左MFとしてプレーしたが、エスバインとともに投入されるのをタッチライン際で待っていた時に、チームは追加点を奪われてしまった。
 
「できれば0-1の段階で入りたかったですね」と原口は悔やんだが、「でも全然、希望を捨ててなかったし、チャンスもあったので。自分が入ってからテンポが良くなったと思うし、個人としては難しいけど、テンポ作りながらチャンスを窺うしかないかなと思っていました」と振り返った。
 
 ダルダイ監督はこの日、エスバインをベンチスタートさせ、開幕戦よりは守備的な布陣で臨んだ。先制を許したとはいえ、決して守備は悪くなかったが、一方で攻撃ではほとんどチャンスを作ることができていなかった。
 
「怖がってばかりいたし、明らかに攻撃のテンポが悪かったので、ボールを失わないこととテンポを作る」ことを意識して、原口はピッチに入った。
 
 そして投入直後には、中央でボールを受けるとワンタッチで簡単にサイドにはたき、ゴール前ニアサイドに走り込んだシーンがあった。クロスは合わなかったが、もう少し低いボールが来ていれば、と可能性を感じさせるアクションだった。
 
「試合が終わった後、ミッチ(ヴァイザー)も言っていたけど、『あそこ出せたね』って。しょうがないですね。ポカール(DFBカップ1回戦)の時もそうでしたけど、結構、なかで受けてというプレーはチャンスになると分かっているので」
 
「今年は(サイドに)張っているだけじゃなくて、なかに入って絡んでいかないとボールに絡む回数が少なくなっちゃうので、そこは考えてやっていきたいなと思います」
 
 試合後、彼はこのように、プレーの意図を説明した。
 
 原口、エスバインと機動力のある選手が入ったことで、ヘルタの攻撃にはテンポがもたらされたが、結局、ゴールを奪うことはできなかった。
 
 こうして2節が終了。原口は間もなく日本代表に合流し、ロシア・ワールドカップ行きを懸けた2連戦へ臨むこととなる。
 
 準備はできている。
 
「僕にとっては、初めてのそういう(W杯出場が)決定するような試合なので、もちろん多少、いつもよりもプレッシャーを感じると思うけど、それは自然なことだと思うので。でも、自信を持ってやれると思うし、それだけの準備はしてきたつもりなので。あと数日ですけど、良い準備をして、日本のためにやりたいと思っています」
 
 こう語り、原口は静かに闘志を燃やしていた。
 
現地取材・文:山口 裕平