新天地でも、その抜群のテクニックで観客を魅力できるか。ピッチ上で多くの笑顔を見せられるような中島の活躍を期待したい。(C)SOCCER DIGEST

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[J1リーグ24節]横浜 1-0 FC東京/8月26日/日産ス
 
 ポルトガルのポルティモネンセへの移籍が決まっている中島翔哉にとって、この横浜戦はFC東京でのラストマッチだった。
 
 背番号23のテクニシャンは、80分、米本拓司との交代でピッチに入る。その3分後にチームは失点を許す苦しい展開だったが、89分には見せ場を作る。
 
 ピーター・ウタカからのパスを受けると、目の前のDFを軽やかなステップでかわし、コンパクトなスイングでループシュートを放つ。相手GKは反応しきれなかったが、しかしボールはクロスバーに弾かれて、ゴールはならなかった。
 
「今日が最後ということで、そんなに長く出られるとは思っていなかった。あのシュートを決められたら良かったけど、そこもしっかりと受け入れて、ポルトガルで活躍したい」
 
 離れるチームに“置き土産”は残せなかったが、限られた時間でも決定機を作れるのは、やはりポテンシャルが高いからだろう。
 
 中島の非凡な技術については、ここで改めて記すまでもないが、この男が最も大事にしているのが“サッカーを楽しむ”ことだ。
 
 もっとも、自身初となる欧州でのプレーが、最初から上手くいく保証はない。思うように試合に絡めなければ、大好きなサッカーを楽しめなくなるのでは――。
 
「それはもう、FC東京で経験していますし(笑)。それでもサッカーをすれば変わらずに楽しかったし、試合に出られれば、もちろん楽しかったし。ポルトガルに行って、出続けられるようになるのが一番だと思いますけど、サッカーはサッカーですから」
 
 活躍する舞台が変わっても、スタンスは変わらない。サッカー小僧はサッカー小僧のまま。芯はブレていない。
 
「楽しむために、向こうに行くので」
 
 新天地でもピュアな気持ちでサッカーと向き合い、ボールと戯れる日々の先に、何が待っているのか。中島のさらなる成長と飛躍を期待したい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)