セブン-イレブンの看板(撮影=編集部)

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 小売業の「勝ち組」だったコンビニエンスストアの成長が曲がり角に差しかかっている。2017年3〜5月期決算は苦戦が目立った。

 ユニー・ファミリーマートホールディングスはファミリーマートとユニーグループホールディングスが16年9月1日に統合して発足し、17年2月期決算から国際会計基準に移行している。3〜5月期連結決算は、売上高に当たる営業収益は3103億円、営業利益は125億円だった。会計基準が異なるため単純比較はできないが、前年同期を統合前の旧2社に組み替えた実質ベースで営業収益は31%減だ。

 ファミマの3〜5月期の営業利益は97億円。サークルKサンクス分を加えた実質ベースで前年同期比20%の減益となる。統合後、サークルKやサンクスの店舗を順次、ファミマに転換しており、看板の掛け替えや店舗改装の費用がかさんだことが大きい。

 統合後の課題は比較的鮮明だ。それは、サークルKやサンクスが大苦戦していること。3〜5月のサークルKサンクスの既存店の1日当たりの売上高を示す平均日商は39.3万円で、前年同期の42.8万円から3.5万円減った。客数は686人で53人減った。一方、ファミリーマートの既存店の平均月商は52.0万円で0.4万円増と、わずかに増えた。

 ローソンの3〜5月期の連結決算は、売上高に当たる営業総収入は前年同期比7%増の1592億円と、第1四半期では過去最高を更新したが、営業利益は7%減の162億円となった。

 ローソン単体の営業総収入は同5%増の907億円と増収だが、営業利益は8%減の125億円と減益。弁当の廃棄損失の一部を本部が肩代わりするなど、加盟店の支援費用が膨らんだ。

 全店の日販は53.4万円と前年同期より0.6万円増えた。しかし、新店は50.3万円と0.2万円減っている。

●セブンの一強体制が加速?

 大手コンビニチェーンで唯一、増益を確保したのが、セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン-イレブン・ジャパンだ。営業総収入は同3%増の2098億円、営業利益は2%増の595億円となった。

 全店の日販は64.5万円で伸びはなし。新店は56.5万円で3.8万円増えた。セブンのブランド力は強かった。

 セブンの7月の既存店売上高は前年同月比0.7%増で、60カ月連続で前年同月の実績を上回った。丸5年にわたり増収が続くのは異例のことだが、セブンの好不調はわかりやすいという。

「セブンは、プラス成長が危なくなると、おにぎりの100円セールが登場する。だから、おにぎりのテレビCMを見れば、セブンの既存店売り上げの動向は一目瞭然だ」(ライバルチェーンの幹部)

 7月の既存店売り上げはローソンが0.4%増。ファミマは0.6%減で、サークルKサンクスが4.2%減だ。統合したファミマの苦戦が色濃く表れている。

●加盟店支援の省人化投資が減益要因になる

 コンビニ各社の喫緊の課題は、加盟店の支援である。パートやアルバイトの時給上昇で加盟店の利益が減少しているためだ。

 セブンは9月から、加盟店から受け取る経営指導料を1%減額する。本部にとって半期ベースで80億円程度の収益悪化要因になるといわれている。18年2月期中に食洗機を全店に導入し、1店舗当たり年間30万円のコスト削減を見込む。

 国内のコンビニの店舗数は6万店に迫り、すでに飽和状態と指摘されている。食品の取扱いを増やし、弁当も置くようになったドラッグストアとの顧客争奪戦は激しい。

 売り上げが伸び悩むなか、加盟店を支援するための省人化投資は今後とも膨らむ。コンビニ各社は減益になりやすい構造であることが明らかになってきた。コンビニの高収益神話は黄昏を迎える。
(文=編集部)