行き交う人々のエネルギーに溢れるターミナル駅、品川の駅前では、数限りないレストランが日夜しのぎを削っている。その中には、地元民に愛される名店が確かに存在する。そこで、品川民に人気の高い3軒を厳選。そこは、味はもちろん、価格も大満足の名店だった!



麻婆豆腐。写真は2人前。仕上げにかける花椒は豊かに香るが、味わいはいたって優しく繊細。こうした独自性が『直城』の真骨頂

洗練の美味で東京の中国料理を牽引
『チャイニーズレストラン 直城』

高輪台


昨今、勢いを増す東京の中国料理店だが『直城』は開店して13年。日本人の感性を映す郷土料理で業界を牽引してきたパイオニアだ。

定番は何といっても麻婆豆腐だが、ほかに梅菜扣肉(メイツァイコウロウ)といった一品も。梅菜とは中国東部・浙江省の発酵食品で、高菜の塩漬けを干したもの。扣肉は豚バラの蒸物のことで、仕上げるまで半日もかける。



ほど良く辛い麻婆豆腐は優しさが滲み出るようだし、梅菜扣肉もどこか懐かしい香味。集う客層も、家族連れから年配夫婦、仕事帰りのビジネスマンまで多彩で、誰もが笑顔。店内を占める空気感に、長く愛される理由を知る。




右上はレバー。粒マスタードを添えて提供。左上は手羽先とぼんじり。手前は抱き身、せせり、ハツ、ハツもと。串ものはコースで7種が登場

ひと工夫を惜しまず、豊かなアイディアで焼鳥文化を発信!
『瀧口』

泉岳寺


8年前、初めて『ミシュランガイド東京』に焼鳥店が掲載されたのが起爆剤となり、東京には多くの個性的な焼鳥店が続々とオープン。コースで提供する店も多いが、『瀧口』は日本の食文化をよりグローバルに伝えるためのメニュー構成を視野に入れた。



季節の前菜の盛り合わせ。料理は、おまかせコースの一例。レタスのおひたしや鴨のテリーヌ、鶏胸肉の梅肉和え、ささみのヅケの握りなど盛りつけも美しい

魚に旬があるように、鶏にも必ず旬がある、という考えのもと、季節によって扱う鶏の銘柄を変えるのが、身上。京懐石やイタリアン、フレンチで腕を磨いた経験を生かし、季節の前菜や一品を織り交ぜたコースを提供する。

ささみの漬けには大葉とバルサミコをしのばせ、胸肉をももの皮で包んだ串ものの猜き身〞にはビーツのホイル焼きを添えるなど、グローバルな価値観を持つ人が多く集う品川において、枠にとらわれない発想の豊かさが人気の秘密だ。



しっとりと落ち着いた大人のための空間。品川という場所柄、カウンターの半分以上が外国人客で埋まることも多い。


「高輪イチの穴場」と呼び声高い、名物餃子を品川で発見!




あの元総理も「感動した」!? 高輪の超人気餃子って?
『壇太』

高輪台


「知る人ぞ知る」という表現が、ぴたりとハマる酒場である。39年前に高輪で先代が始めたスナックが前身。当時、界隈に中華料理店がなかったことから「ならば自分が」とラーメン屋をオープン。

現在、先代からふたりの息子に受け継がれた店は、気さくでアットホームな酒場として多くの常連に愛される存在に。ここを訪れる人がこぞってオーダーするのが、自家製ラー油で食べる野菜たっぷりの餃子だ。

小ぶりで、女性でも3人前は当たり前という餃子は、元総理大臣が、近くの宿舎に住んでいた議員時代から爛愁Ε襯奸璽〞として愛食していたというエピソードを持つ逸品。具材はキャベツにニラ、にんにく、挽肉とシンプル。家庭的で心が和む味はこの店の良心そのものだ。



餃子(6個)¥420。メニューの1ページを「餃子」の文字が占拠。元総理大臣が議員時代から食べていた“出世餃子(!?)”は、ゴールデンキウイを贅沢に使ったサワーとの相性も上々

ここの餃子にはいくつかの特徴がある。まず野菜がとにかくたっぷり入ってる。野菜と肉の比率は7:3。キャベツが多めなのでほんのりとした甘みがあり、いくら食べても胃もたれしないのが嬉しい。にんにくを使っているが、比較的、においはおだやかなので女性も安心!

また、皮からうっすらと具材のニラが透けて見えるくらいの厚み。もっちり感もほどよく、具材とのバランスもいい。キツネ色に焼きつけられた部分は香ばしく、もちっとカリッの食感のコントラストも絶妙。

その上ラー油は自家製。どんどん進化をしているという『壇太』の自家製ラー油。最近は、揚げにんにくなどを加えて“食べるラー油” にバージョンアップ。奥深い辛みがあり、餃子はもちろんほかの料理との相性も抜群!



ホルモン3種鉄板焼き(塩)。餃子以外のメニューも充実※メニューは一例



小上がりのほかにテーブル席も。アットホームな雰囲気