マッケンローが自身のテニスアカデミーと今年の全米オープンについてコメント

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 ジョン・マッケンロー(アメリカ)が、自身が経営するテニス・アカデミーで次世代のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)やジェームズ・ブレイク(アメリカ)を輩出するために行っていたトライアウト中に、彼自身の穏やかな一面をみせた。

 ニューヨーク・ハーレムのフレデリック・ジョンソン公園のテニスコートでマッケンローは、6歳から12歳までの子供たちにテニスについてのアドバイスやフットワークを指導した。この公園の名前は、元テニスプレーヤーでコーチだったフレデリック・ジョンソンからきている。

「フォアハンドやバックハンドのための最適なポジションに足を動かすんだ。全力で頑張れ」と奨学金を支給できる熱心な子供たちを探しているマッケンローは言った。

 マッケンローは最近、「セレナが男子ツアーでプレーしていたら、世界700位くらいだろう」という発言をし、大きな批判を受けた。自らの回想録『But Seriously(しかし真面目な話...)』の著者である58歳のマッケンローは、クイーンズ出身の元世界ナンバーワンとして紹介されるべき立場だが、特に気にしていない様子だった。

 2012年以来、ジョニー・マック・テニス・プロジェクトとスポーツランダルズ・アイランドは、ニューヨーク在住の200人を超える若者達に奨学金を支給してきた。2016年度のジョン・マッケンロー・テニス・アカデミーの約600人の中から40人ほどの若者たちにも奨学金が支給された。

 アカデミーでは9月から5月までのテニスレッスンにより、ジュニアテニス、大学の奨学金、およびプロへの道を提供している。マッケンローのアカデミーがトライアウト以外にハーレムに行ったのは、初めてのことである。

「過去30年間で、ニューヨーク出身で成功した選手はほとんどいないよ。何かが間違っているんだ」とこれまでシングルス、ダブルス、ミックスダブルスで合計17度に渡ってグランドスラム大会のタイトルを獲得したマッケンローは言った。彼は子供のころに全米オープンでボールボーイをした経験がある。

 マッケンローはジュニア時代、ポート・ワシントンの近くで有名なハリー・ホップマンのもとで練習を積んでいた。ザック・デービスとレジー・サッターフィールドは、ハーレム公園テニスセンターで長きにわたりテニスコーチを務めている。ハーレム公園テニスセンターは、コロンビア大学とニューヨーク都市公園課を通じて8ヵ月間のサマー・プログラムを提供している。

 カリッド・ベイ氏は、息子のジョシュアが優秀だと言っている。

「息子はテニスを学び、社交性を身につけ、楽しく過ごしている。彼は学校でも優秀だよ。テニスは子供のしつけにもいいんだよ」とベイ氏は言った。

 マッケンロー・テニス・アカデミーは、2010年に開校した。ウェイクフォレスト大学出身のノア・ルビンとノースカロライナ大学出身のジェイミー・ローブ(ともにアメリカ)の2人のアカデミー出身者が、最近プロに転向している。

 マッケンロー・テニス・アカデミーは、イースト・ハーレムとサウス・ブロンクスの学校とも提携しており、バスなどの交通手段や無料テニスレッスンの提供も行っている。

 マッケンローは、ともにアカデミーで働く弟のパトリック・マッケンロー(アメリカ)と、ハンプトンで行われる毎年恒例のプログラムのための募金活動を主催し、そこにはクリス・エバート(アメリカ)、マッツ・ビランデル(スウェーデン)、パット・キャッシュ(オーストラリア)も参加する。

「僕たちは人々の人生を変え、大学の奨学金を受けるなど、多くの成功事例を出している。50年に1人と言われるセレナのような選手が出てくれば最高だけどね」とマッケンローは言った。

 スポーツ専門チャンネルであるESPNで全米オープンの解説を行う予定のマッケンローは、次のように述べている。

■フェデラーとナダルについて

 今年の全豪オープンとウィンブルドンのタイトルを獲得したロジャー・フェデラー(スイス)と、全仏オープンのタイトルを獲得したラファエル・ナダル(スペイン)は、今シーズン最後のグランドスラム大会の全米オープンのタイトル獲得を争うことになる。

「今シーズンのロジャーの活躍には僕も含め誰もが驚いていると思うけど、彼が優勝候補のひとりとなることは言うまでもないし、ナダルもそのひとりだよね。トップ10の選手がケガで今回の全米には出場してないのもあるけど、そのほかの選手にもチャンスはあると思うよ」

 先週のシンシナティ(ATP1000/ハ-ドコート)でタイトルを獲得した26歳のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)や、ローマ(ATP1000/クレーコート)の決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を下し、モントリオール(ATP1000/ハードコート)の決勝ではフェデラーを倒した20歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)も優勝候補の一角になるとマッケンローは考えている。

■マリア・シャラポワについて

 心臓病の薬でもあるメルドニウムが2016年から禁止薬物となったあと、2016年の全豪オープンで同薬物使用が発覚し、マリア・シャラポワ(ロシア)は15ヵ月の出場停止処分受け、今年4月にツアー復帰を果たした。シャラポワは現在は147位にまで世界ランキングを落としているが、今年の全米オープンにはワイルドカード(主催者推薦枠)で本戦から出場する。シャラポワは今年の全仏オープンでワイルドカードの獲得ができず、ウィンブルドンでは大腿部の故障により欠場していた。

「彼女の出場停止処分は、私の知る限り他のスポーツと比較してもかなり厳しいものだった。仮にNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の選手のステロイド剤の使用が発覚した場合、初犯だと4試合の出場停止処分を受けるだけだよ」とマッケンローは言った。

「彼女の体力面や精神面の状況は知らないけど、勝ち方を知っている選手だからね。これまでいろんなことを乗り越えてここまで頑張ってきているんだから、彼女が誰を倒してもおかしくないよ」と2006年全米覇者のシャラポワが目の離せない選手だとマッケンローはコメントした。

■育児について

 セレナが妊娠のためにツアーを離れ、ビクトリア・アザレンカ(ベルラーシ)は生後8ヵ月の子供の父親との養育権の争いを解決することができなかったため、全米オープン出場を取り消した。両選手ともに元世界ランク1位の選手であり、ツアーで子供を持つ母親、またはコーチのリストに名を連ねることとなった。男子のプロツアーでは育児援助が導入されているが、女子ツアーではまだ取り入れられていない。

「子供を持つ女子選手がいるのに、何かおかしな話だよね。僕に子供ができたときには何もなかったわけだから、少なくとも正しい方向に向かっていると思うよ。こういうことで悩むべきではないよね」とマッケンローは言った。

■マッケンロー自身について

 女子ツアーでプレーすれば世界ランク何位くらいになれるか、との質問に対し、「僕に不利になる可能性があるので、それに関しては回答を拒否させてもらうよ」とマッケンローは笑って答えた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は6月29日にイギリス・ロンドンで「レーバー・カップ」のトロフィーをお披露目したときのジョン・マッケンロー(左)とロッド・レーバー(右)
Photo:WIMBLEDON, ENGLAND - JUNE 29: L-R John McEnroe and Rod Laver talk at the unveiling of the Laver Cup trophy at Cannizaro House on June 29, 2017 in Wimbledon, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)