米国は、北朝鮮と取引を行っている中国企業を対象に、さらなる金融制裁を進めていると、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が報じた。

米連邦検察当局は今年5月、北朝鮮の核兵器、ミサイル開発計画を経済的に支援していると疑われる中国企業の米国の銀行口座を凍結する令状を取り、捜査を進めている。そのターゲットの一ひとつが、北朝鮮製品輸入の最大手と言われる丹東至誠金属材料有限公司だ。

令状の記載内容によると、同社はフロント企業4社を通じて、北朝鮮産の石炭を購入し、代金として米ドルを使用した。この件には米国の銀行8行も関わっている。

同社に関しては、中国当局が今年4月、北朝鮮から輸入したばかりの大量の石炭を差し戻すよう命じたと、ロイター通信が報じている。

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連邦検察は今年6月、平壌に資金を提供するためのフロント企業だとして、ミンチェン国際貿易という企業を相手取り、190万ドル(約2億800万円)を没収するための訴訟を提起。資金の恒久的な没収が北朝鮮への締め付けになるとみて、北朝鮮と取引のある在丹東の企業に対しさらなる措置を行うものと見られる。

米財務省の元高官、アンソニー・ルギエロ氏は、中国政府と中国の銀行は、北朝鮮の資金の流れを断つための措置を一切行わなかったため、制裁を招いたと述べた。中国は対北朝鮮制裁のとして様々な措置を取っているが、米国は不十分を考えているようだ。

中国商務省は14日、国連安保理の制裁決議2371号の履行の一環として、北朝鮮産の鉄、鉛、海産物の輸入を全面禁止する措置を取った。また、非公式ながらも北朝鮮労働者の受け入れの中止などの措置を取っている。

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さらに中国政府は昨年9月、北朝鮮の核開発に関わったとして遼寧鴻祥グループの代表の調査を行い、グループを事実上の解体に追い込んだ。今年7月には、北朝鮮観光最大手と言われている丹東中国国際旅行社の代表を逮捕するなど、北朝鮮と関わりのある企業に対する締め付けを強化している。

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