期待される新技術、トップは「再生医療」 2016年度の市場規模は14.3%増の160億円に

写真拡大 (全3枚)

 新技術によるイノベーションへの期待が高まる中、ビジネスパーソンが最も期待を寄せていたのは再生医療で、国内市場も拡大している。

 新技術によるイノベーションへの期待が高まる中、日経BP総合研究所はビジネスパーソンの新技術に対する期待度をアンケート結果をもとに評価し、その結果を3月14日に発表した。調査期間は2016年11月29日から12月16日で、有効回答数は792件。

 2017年に期待する技術を100点満点で評価したところ、トップは「再生医療」(81.5点)で、以下、「IoT」(80.3点)、「AI」(78.1点)、「機械学習」(77.1点)、「インフラモニタリング」(76.5点)が続いた。

 5年後の2022年に期待する技術でも、トップは「再生医療」(86.8点)で、「AI」(84.1点)、「EVのためのポストリチウム電池」(83.8点)、「IoT」(83.7点)、「機械学習」(83.4点)となった。

 再生医療とは、生まれつき、あるいは病気や事故などで欠損・損傷・機能低下した組織や臓器を、患者の体外で培養した細胞や組織を用いて修復再生する医療のこと。機械学習は、AIにおける研究課題の1つで、人間が行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術や手法。インフラモニタリングは、構造物などの状態を継続的に計測して状態の変化を客観的に把握する技術で、老朽化した橋梁やトンネルなどのリスク対策として期待されている。

 このように再生医療に期待が高まる中、TPCマーケティングリサーチ株式会社は4月から7月にかけて、世界の再生医療・細胞医薬品市場について調査を実施し、その結果を7月31日に発表した。

 2016年度の日本の再生医療・細胞医薬品の市場規模は前年度比14.3%増の約160億円で、2017年度は約220億円に拡大すると予想されている。内訳を見ると、市場規模が最も大きいのは「癌免疫細胞療法」の約109億円(構成比68.1%)で、以下、「皮膚」(28億円・同17.5%)、「軟骨」「免疫・炎症」(約7億円・同4.4%)と続いた。

 癌免疫細胞療法はすべて自費診療にあたり、高コストが治療の障壁となる場合がある。そのため、臨床試験や先進医療という枠組みを使って治療を受けることで、治療費が軽減されるケースがあると同社は指摘している。皮膚は自家培養表皮や、美容整形などに関する再生医療・細胞治療の売上増加が市場拡大に寄与した。中でも美容目的で使用される細胞治療薬は、自由診療の対象であるにもかかわらず高い需要が見られた。また、軟骨移植は前年度並みの推移となったものの、保険収載された製品の実績数が増加している。

 再生医療技術やAIは、社会全体や個々人の生活に変化をもたらす可能性がある。それぞれの市場の動きに対する注目はこれからも高まりそうだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]