片手に糸を持ち、その先端を歯で噛み、ホロード(チーズ)を薄く切り、乾燥させる=フロンボイル市・シニバルグバロン・ホショー(2015年8月撮影)

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 日本の3倍という広大な面積を占める内モンゴル自治区。その北に面し、同じモンゴル民族でつくるモンゴル国が独立国家であるのに対し、内モンゴル自治区は中国の統治下に置かれ、近年目覚しい経済発展を遂げています。しかし、その一方で、遊牧民としての生活や独自の文化、風土が失われてきているといいます。

 内モンゴル出身で日本在住の写真家、アラタンホヤガさんはそうした故郷の姿を記録しようとシャッターを切り続けています。内モンゴルはどんなところで、どんな変化が起こっているのか。

 アラタンホヤガさんの写真と文章で紹介していきます。

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 モンゴルの乳製品としては、馬乳酒がよく知られている。
 
 実は日本でよく飲まれているカルピスは、内モンゴルの馬乳酒から由来している。馬乳酒といってもお酒ではなく、馬の乳を発酵させた飲み物であり、夏になると老若男女関係なく、みんなが飲むものである。馬乳酒に含まれる乳酸菌が野菜をあまり食べない、モンゴル人にとっては大切なビタミンCであり、冬にお肉ばかり食べるモンゴル人の胃腸や血液の中の脂分を排除する働きがある。

 しかし、この馬乳酒を作ること、飲むことが80年代から殆どなくなってきたが、最近、モンゴル医学における馬乳酒の重要性が注目され、復活し始めている。最近、多くのモンゴル病院で馬乳酒治療が盛んになってきている。(つづく)

※この記事はTHE PAGEの写真家・アラタンホヤガさんの「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮るーアラタンホヤガ第2回」の一部を抜粋しました。

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アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA)
1977年 内モンゴル生まれ
2001年 来日
2013年 日本写真芸術専門学校卒業
国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。
主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。