いきなり普通に走るのではなく動く部分はすべてゆっくり操作する

  サンデードライバーの方だと、週1回どころか、下手をすれば1カ月に1回ぐらいしか乗らないというケースもあるかもしれない。乗らない間に、エンジン内部などに故障が発生したり、バッテリーが上がっていなければ、問題なくエンジンはかかるし乗ることもできるだろう。

  でも、クルマにとっては確実に良くない。まず、エンジンから見ていくと、内部にサビが発生することはさすがにないが、ドライスタートという状態になっているのが問題だ。このドライスタートというのは、いわゆる油膜切れのことで、結果として潤滑不良になってしまう。たとえば、ピストンとシリンダーが直接当たったりするので、摩耗やカジリが発生することになる。

  今やエンジンの摩耗の8〜9割はこのドライスタートが原因と言われるのだが、どれぐらいで油膜が落ちるかについては、たった1週間という説もあるほどで、かなりシビアな話だったりする。防止するには、極性のあるエステルを配合したオイルを使用するなどの方法があるが、乗らなくてもエンジンだけかけてやって、オイルを回してやっても効果はある。

  しかし、問題はそれだけではない。ミッションもフルードを使用していたりするし、足まわりも同じ状態で動かないまま。またタイヤも止まっていると接地部分だけへこんできて、真円が崩れてきてしまう。つまり、その場でエンジンをかけるだけではダメなのだ。そう考えると、エンジンをかけていないよりかはかけたほうがいいにしても、しばらく動かしていなかったクルマをいきなり動かすのは、非常によくないことがわかるだろう。

  まずはエンジンをかけたら、しばらくそのままでオイルを回してやる。そのあとは、ゆっくりと動き出して、全身を暖めるイメージで、周りに迷惑がかからない程度にゆっくりと走る。ステアリングもいきなり切ったりしないで、スッとゆっくり切るようにする。タイヤについては、給油のついでなどで空気圧を見ておく。ちなみに空気は1カ月でも抜けるので注意が必要だ。

  たとえが悪いかもしれないが、寝てばかりいた人が、いきなり運動すればケガをするだけ。運動をしていなかったら、ゆっくりと準備運動から始めて、徐々に体を慣らしていく。クルマについても同じことが言えるといっていい。