「函館まるかつ水産本店」/テーブルにはタブレット型のタッチパネルとお手製のクリアファイルが備えられている

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寿司屋のカウンター席の醍醐味といえば、目の前のネタケースに並ぶその日の魚です。色鮮やかなネタの数々につい目を奪われてしまいがちですが、そんな視覚で楽しめるところも寿司屋の面白さの一つといえるでしょう。

「函館まるかつ水産本店」/外観

直にネタを眺められるというわけではないけれど、実は「函館まるかつ水産本店」の最初のアプローチも同様に「本日の入荷」の魚を見るところから始まります。それぞれのテーブルの上にはタブレット型のタッチパネルとお手製のクリアファイルが備えられていて、その日仕入れた旬の魚がリストとしてズラリと並んでいます。「さすが函館!」と思わず唸ってしまったのは、リストの一番上に活イカがあったからです。

「函館まるかつ水産本店」は、函館観光のメッカ、ベイエリア「函館ベイ美食倶楽部」内にある回転寿司店です。「はこだて海鮮市場」などを始めとする数々の事業を手掛ける「まるかつ魚長グループ」の直営店。水産会社が営む寿司店ということもあって、自慢は取り扱う魚の活きの良さです。この鮮度を一番の売りに観光客の舌を大いに楽しませ、夏場、観光のハイシーズンには、開店時間前から列ができています。

店に並ぶのは、函館近海を中心に水揚げされた魚。なかでも、函館の味覚の代表格といえば、やっぱりイカです。2016年から水揚げ量の減少が叫ばれていますが、この店では看板のメニューとばかりその日の入荷メニューのトップに登場します。

活イカのメニューは、「活いかの握り」(1080円〜)と「活いかの刺身」(1080円〜)。握りはイカ1パイから、だいたい6〜7貫の寿司が楽しめます。ただし、握りも刺身も、活イカの仕入れの数に限りがあるので、その日の入荷状況と値段(時価)を最初に確認するのが無難です。

入荷リストに上がるのは函館近海で水揚げされたものだけではありません。多角的な経営のネットワークを生かしてノドグロやキンキ、時にはコハダなどの魚が記されることもあります。それだけに「本日の入荷」のチェックは欠かせないのです。

定番メニューの中で根強い人気は「三好(さんこう)」握りです。ウニ、イクラ、カニばら身の「北海三好」(724円)、大トロ、赤身、ネギトロの「まぐろ三好」(724円)、甘エビ、赤エビ、蒸しエビの「えび三好」(508円)など、1皿で3つの味が楽しめるとして人気を増やしています。そんな中、最近好評を得ているのが「いくらのっけ」(508円)と「真たら子醤油軍艦」(292円)。

「いくらのっけ」はトラウトサーモンの巻物の上に、大葉とダイコンおろしを乗せ、さらにその上からイクラをたっぷり掛けた一品。シャリの上でイクラがキラキラと輝いています。もう一つの「真たら子醤油軍艦」の一番の特徴は、その食感です。マダラコは一般的なタラコに比べて粒が小さく、その分、口に入った時に、シャリといっしょにサラッと溶け込むような感じがします。そんなきめ細やかな味わいが、ウケています。函館に来た時には、ぜひ味わってみては?

函館まるかつ水産本店■住所:函館市豊川町12-10函館ベイ美食倶楽部内 ■電話:0138・22・9696 ■時間:11:30〜15:00(LO14:45)、16:30〜21:00(LO20:40)※時期によって延長あり) ■席数:81席(禁煙)

【北海道ウォーカー編集部】