中国・貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州平塘県にある世界最大口径の電波望遠鏡に観光客が殺到し、正常な観測に悪影響を及ぼすと指摘する声が聞かれている。写真はFAST。

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中国・貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州平塘県にある世界最大口径の電波望遠鏡に観光客が殺到し、正常な観測に悪影響を及ぼすと指摘する声が聞かれている。24日付で香港サウスチャイナ・モーニング・ポストが伝えた。

「500メートル球面電波望遠鏡(FAST)」は「中国天眼」と呼ばれており、宇宙の電波の受信や惑星の観測などが主な任務で、これまでキャッチするのが困難だった微弱な信号も捉えることができるため、地球外生命体の発見でも活躍が期待されている。そのため、FASTは静かな環境が確保できた平塘県に設置されたのだが、大勢の観光客が押し寄せていることでFASTを取り巻く環境が変化し、観測に影響すると専門家は指摘している。

今年上半期、平塘県には約400万人の観光客が訪れ、観光収入は46億元(約750億円)に達した。観光収入は前年同期比40%増で、県内では観光客を受け入れるためにホテルやレストランが次々に建っている。

この現状について北京天文館の館長は、「平塘県を設置場所に選んだのは周り静かだからだ。だが、観光客の急増で電磁波汚染は避けられず、FASTの観測に悪影響を及ぼす」と指摘している。FASTの半径5キロ内では、携帯電話の電波が届かなくなっているなど対策はしているものの、今年は通年で1000万人の観光客が訪れると予想されており、この数字は当初の予想を超えている。現在FASTの周りでは観光客用の展望台が新たに造られており、FASTの関係者は新たに調査を行いFASTへの影響を再度見積もる必要があると語っている。(翻訳・編集/内山)