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 義理の親子が仲睦まじく暮らすのは、時に難しいものです。でも、この物語では、ある少女が継母の死刑の罪をかばおうとし、そして継母も少女を命がけで守ろうとします。決して血はつながっていなくても、心から思いやる親子の絆に触れた護衛は、果たして・・・?

 古代、珠崖県というところ(現在の海南省海口市)に13歳の少女がいた。彼女は幼い時に母親を亡くし、珠崖県の長官を務めていた父親は再婚して男の子をもうけた。少女は弟を可愛がり、継母にもよく仕えた。

 当時、珠崖県では真珠産業が盛んだった。一方、許可なしにこの地域から真珠を持ち去ることは禁じられており、掟を破れば「死刑」という刑罰が待っていた。

 父親が亡くなると、少女と継母たちは彼の故郷で葬式を営むため、珠崖県を出なければならなかった。真珠を持ち出すことが禁じられているため、旅支度をしていた継母は、常に身につけていた真珠のブレスレットをはずして部屋の隅に置いた。何も知らない男の子は、母の大事なブレスレットを何気なく宝石箱の中にしまった。

 家族が旅に出る日のこと。護衛の者が城門で荷物を調べていると、かばんの中から宝石箱が出てきて、真珠のブレスレットが見つかった。たとえ個人で身に付けるものであっても、真珠の持ち出しは禁じられている。護衛は家族に向かって詰問した。

 継母が持ち出したと思った娘は、言った。「父が亡くなり、母が真珠を捨てようとしているのを見ました。しかし、母はそれを大事にしていたので、捨てるのは忍びなく、私がそれを宝石箱に入れたのです」

 それを事実だと思った継母は、娘をかばうために言った。「違います! これは私がいつも身に付けていたものなので、捨てようと思いましたができませんでした。だから、私が宝石箱に入れて、持って行こうと思ったのです」

 二人は抱き合ってすすり泣いた。護衛は親子をみると心が痛んだ。「娘と母が相手を思いやるその心は賞賛に値する。私はどちらにも罪を問うことができない。仮に私が罰せられても、二人をとがめることはできない」

 その後、男の子が何も知らずに真珠を宝石箱にしまったことが分かった。少女は弟をかばい、継母は少女をかばい、互いの命を守り抜いたのだ、家族は無事に城門をくぐり、旅に出たという。

(翻訳編集・郭丹丹)