「El Ocservador」紙より

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 7月19日から南米ウルグアイにて大麻の薬局での販売が公認されて好調な滑り出しを展開していた。「世界一貧しい大統領」と呼ばれていたホセ・ムヒカが大統領だった2013年に大麻の栽培と販売が合法化され、それが今回の販売に結びついたのであった。まず、全国19県ある中で11県の薬局16店で販売が公認された。

 販売開始当初は大麻購入の為に必要な登録をした者の数はおよそ4500人であったのが、8月7日までに登録者は11508人まで増えた。(参照:「El Observador」)

◆待ったを掛けたのは「銀行」

 ところが、ここに来て意外なところから横やりが入った。それを仕掛けたのは銀行であった。大麻を販売している薬局の銀行口座を取り消すという方針を銀行が打ち出したのである。これには政府も全く予期していなかったことで、その解決法を模索している。

 ウルグアイにある7つの銀行の内の3行が先ずこの方針を決定。Santander(スペイン最大銀行)、Scotiabank(カナダ)、Itau(ブラジル)の3行である。

 3行がそのような決定をした理由はウルグアイでは大麻の販売は合法化されたが、それ以外の国では非合法であり、銀行の国際為替取引上において大麻の販売に直接関係した口座を開設しているということは銀行では容認できないということ。そして、大麻の販売が資金の洗浄やテロ資金と関係しているというのが通説となっていることから、尚更銀行ではそのような口座は維持できないとしたのである。

 公的銀行であるEL Banco Republica(BROU)が大麻を販売している薬局の間では口座開設の対象銀行になっていたが、同銀行も上述3行に追随したことを受けて薬局の方では政府に早急な解決を要求している。解決されない場合は大麻の販売を中断すると表明している薬局もある。

 そのような状況の中で、首都モンテビデオのピタゴラス薬局は<Santander銀行が同店の口座を取り消した為、その時点で同店は大麻の販売を中断すると決めた>。それ以外の<4店は口座が取り消されるという危険性が強くなった時点で販売を止める>。<2店はまだ様子を見たい>。別の<2店は如何なる状況になっても販売は続ける>。そして、<7店は考えを公にすることを控えた>という。(参照:「El Observador」)

 ウルグアイ中央銀行のベルガラ総裁は<「金融上の束縛をほどくのはかなり複雑な挑戦になる」>と述べ、<米国が麻薬の違法を合法化させるようになるのが唯一の解決に繋がる>とした。米国の麻薬乱用防止協会のルベン・バレールによると、<「米国での合法化された麻薬の販売は全て現金での取引を実施している」>と指摘し、<「ウルグアイの法制化は米国の政治に依存すべきではない」>と述べている。

 薬局のコンサルタントをしているパブロ・ドゥランは<米国29の州で大麻が合法化されたことを見て、このような銀行の問題が発生することはないと考えていた>と反省しているという。

 また、ムヒカ前大統領も<「大麻の合法化は議会による尊厳のある決定である。だから尊重されて当然である」「金融面における官僚組織は民主主義の本質を尊重する為に解決の道を見つけねばならない」>と述べた。そして<「解決できないのであれば、出て行って欲しい。そして、解決手段を見つける能力のある人たちが来てくれることを望む」>と要望した。(参照:「Infobae」)

◆ウルグアイが大麻を合法化した理由

 そもそも、今回の合法化への狙いは大麻を商売にして暴利を貪る麻薬組織や暴力組織を追放して、健全な市場で大麻を流通させるという考えから出発したのである。なにしろ、今回、薬局で販売されることになった大麻の価格は<5グラムが187ペソ(730円)>であるが、それが麻薬市場ではこれまで<500-800ペソ(1950-3120円)で販売>されていたのである。(参照:「Republica」)