店のある棚は実は手を触れてはいけない場所だった…(イラスト/もりいくすお)

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 先祖の魂が帰ってくるといわれるお盆。この世に思いを残して去った人々の魂が今年も戻ってきたようです──。39才パート勤務の女性が、自らに降りかかった世にも恐ろしい物語を明かしてくれました。

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 私は某ディスカウントストアで商品管理の仕事をしています。今年のお盆の日、閉店後に翌日の準備も終えて帰ろうとすると、私たちのリーダーであるA子さん(45才)が、ある棚の前で手を合わせていました。不思議に思って尋ねると、彼女はこんな話をしてくれました。

 その棚には、布団やシーツがぎゅうぎゅうに詰められているのですが、以前から何度店長に掛け合っても、この棚だけは並べ替える許可が下りなかったというのです。そんなわけで、そこだけ埃っぽくて、何となく暗くて、いつしか誰もが避けて通る場所になっていました。

「あんなに詰め込んでいたら、誰も手に取りたくないし、どんどん売れ残ってしまう。だから、棚を整理して、古い在庫は処分しましょう」

 と店長に訴えても、

「あそこはいいんだよ」

 と、しどろもどろの答え。なぜ、あそこだけが手つかずなのか、謎のままでした。

 そんなある日、チャンスがやってきました。昨年の夏の人事異動で、別店舗から新しい店長が来たのです。さっそくA子さんは新店長に掛け合い、気になっていた寝具のコーナーの整理をすることになりました。

 20時に閉店し、21時から棚卸がスタート。気になっていた寝具コーナーは男手があった方がいいだろうと、A子さんと2人の男性スタッフで行うことになりました。

 古い布団やシーツを1つ1つおろしていくと、布団は湿気でじめっとしており、シーツは色あせていました。

 全部の商品を棚からおろしたとき、男性スタッフの1人が「うわっ!」と、一点を見つめて声を上げました。

 何事かと思って、A子さんがその視線の先を見ると、そこには白い服を着た髪の長い女の人が立っていたのです。

 しかも、体を傾け、ゆらゆらと横に揺れています。髪は顔にかかり、表情はほとんどわかりませんが、体越しに向こうの棚が透けて見えるんです。

「そうか、ここは開けてはいけない場所だったんだ…」

 A子さんとスタッフが、大慌てで商品を元の棚に戻すと、女の人の姿も消えていったそうです。

「今もあの幽霊、あそこにいるのよね〜。まさか、お客さんも幽霊まで陳列されているとは思わないだろうけど…」

 その幽霊が現れたのが夏だったことから、A子さんは、今年のお盆にも手を合わせていたのです。

※女性セブン2017年9月7日号