たった1通のLINE。

その巧拙が恋愛の勝敗を決めかねないが、恋愛マニュアル情報は巷に数多くあれど、LINEの正解を教えてくれるコンテンツはほぼ見当たらない。

男女でLINEに対する捉え方は、全く異なるようだ。

あなたが送るそのLINE、気づかぬうちに間違えていないだろうか。




外資系コンサル会社勤務の悠馬とは、知人の紹介で知り合った。

とは言ってもそんな堅苦しい集まりではなく、みんなでBBQをしたメンバーにいたうちの一人が悠馬だった。

「女性は座ってていいから。裕子ちゃんも、好きに食べて飲んでていいよ。」

夏のBBQというのは、その人の人間性が顕著に現れる。

悠馬のようにせっせとお肉を焼いてくれる人、全く焼かずに女性とのお喋りに興ずる人。

女性に至っても、ここぞとばかりに、男性陣にアピールすべく必死に手伝おうとする人、男性の言葉に甘え、何も動かない姫気質の人...

私はどちらにも属せず、何となくお肉を焼いているグリル・エリアと、皆がお酒を飲んで座っている席を行ったり来たりしていた。

そんな私を気遣うかの如く、悠馬は積極的に話しかけてきてくれた。

「肉焼けたよ!裕子ちゃん、食べてる?酒は足りてる?」

一見、我がもの顔で居座っていても良さそうなタイプなのに、周囲に対する気遣いができる悠馬。

お肉よりも、悠馬の方をつい目で追いかけている自分がいた。

「俺、映画が好きで。今オススメの映画やってるから、見に行けたらいいな。」

そんな会話も盛り上がりつつ、個別交換はせずに、幹事の男女二人が皆を招待する形でグループLINEが作られた。もちろん、その中に悠馬はいる。

個別でLINEを送るかどうか。ここで運命は一気に分かれる。気になる人がいるならば、個別に送らずして道は開けない。

早速、悠馬にLINEを送った。


彼女、いるのかな?気になる彼とLINEで距離を縮める方法は?


Q1:LINE以外彼に近づく手段がない。いつ、どうやって送ればいい?


みんなで、という返事にちょっと落ち込む 。

-私は一体、何を期待していたんだろう...

悠馬くらいの男性ならば、他に女性がいるに決まっている。

紳士的な態度に優しい笑顔。それに加えて外資系コンサル会社勤務。周囲の女性が、放っておくわけがない。

そんな時、タイムリーに友人の美沙からLINEがきた。話の内容は、聞きたくなかった悠馬のこと。




美沙からのLINEを見て、益々落ち込む。やっぱり、彼女がいたんだぁ...

でも、このままでは終われない自分もいる。

うまく言葉にはできないけれど、もう一度会いたいという衝動に駆られていた。年齢と共に、恋愛に対して臆病になる。

本当は向こうから誘ってきて欲しいけれど、そんな悠長なことを言っている暇はない。相手は彼女持ちだ。でも、別れたいと言っている以上、チャンスがない訳ではない。

しかし悠馬と繋がっている唯一の手段はLINEだけ。

-ここから、どうやったらいいのかな...

でも、少しずつでいいから距離を縮めていくしかない。

積極的に、でも重たくならないように。塩梅を考えながら、LINEを送った。




疑問形だと返信が億劫な場合もある。だから一言二言で終われるような返信を打った。

結局、これには一言だけの返信だったけれど、そこからちょこちょこLINEをする仲にはなっていった。





LINEはするけれど、仲が深まっているのか、深まっていないのかよく分からなかった。

しかし夕方になると、何となく悠馬にLINEをしているようになった。




何の進展性もない上に、色気もないLINEが続く。

しかしこんな何気ないLINEが、まさか悠馬の心を動かしていたとに、この時の私は、全く気がついてはいなかった。


何気ないLINEで、彼の心が動いた!でも一体どうして?


Q2:決定打となるような一文は送っていない。一体何が良かったの?


結局悠馬とは二人で会うこともないまま、前のBBQメンバーでまた集まることになった。

グループLINEに入ってきたBBQの誘いに対して返信を打たないうちに、悠馬からLINEが入る。




悠馬の方からLINEが入り、嬉しくなる。いつの間にか、ここ最近、悠馬とのLINEのやり取りの頻度は高くなっていた。



そして迎えた土曜日。

洋服を買いに行くと、既に秋物が並んでいるけれど、実際の8月下旬はまだ暑い。

少しシックな色合いのオフショルダーのワンピースに、華奢なゴールド系のアクセサリーをつけて集合場所である『ノマド・グリルラウンジ』へと向かった。




大きなテラス席に吹く夏の夜風が気持ちよくて、思わず開放的な気分になる。

「裕子、今日のワンピ可愛いじゃん。」

美沙が小声で、耳元で囁く。私が悠馬のために気合を入れてきたこと、美沙にはお見通しだったようだ。

「裕子ちゃん、なんか久しぶりだね。」

美沙と小声で話していると、背後から声が聞こえる。振り向くと、悠馬が立っていた。相変わらずかっこいい。思わずはにかんだ。

段々と会が進み、男性陣は皆良い感じに酔いが回ってきたようだ。お酒があまり強くない私は、ワインをグラス半分ほど飲んだだけでもう顔が赤くなっている。

「裕子ちゃんって、本当に癒し系だよね。」

いつの間にか隣に座っている悠馬に不意に褒められ、益々頬が紅潮する。

「来週土曜、何してる?二人で映画でも見に行かない?」

悠馬からの突然の誘いに、嬉しさと驚きが入り混じり、思わず声が上ずってしまった。

「も、もちろん!」

あれ、でも確か悠馬には彼女がいたはずでは...

肝心な質問ができぬまま困惑した顔をしていると、悠馬の口からは意外な一言が飛び出した。

「彼女と、別れたんだ。もし良ければ、裕子ちゃんと向き合いたいなと思って。」

夏の夜の熱気が、更に体を火照らせる。

「でも、どうして...」

特別な一文を送った訳でもないし、どちらかと言うと邪魔にならないようにしたかったので、“好きだ”とかそんな重い内容は一切送っていない。

しかも、言うならば今日まで会ってもおらず、二人を繋いでいたのはLINEだけ。

一体、何が良かったのだろうか?

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LINEの答えあわせ【A】:え、それだけでいいの?男性が貰って嬉しいLINEとは

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