▽両チームにとって、この日がシーズンのターニングポイントになる可能性は高い。26日、明治安田生命J1リーグ第24節の大宮アルディージャvsサンフレッチェ広島がNACK5スタジアム大宮で行われる。

◆両者が望むものは同じ

▽降格圏に沈む両クラブにとって現在最も欲しいもの──それは、言わずもがな勝ち点差「3」だ。両者ポイント差はわずかに「1」。さらに、残留ラインの15位・北海道コンサドーレ札幌、14位・ヴァンフォーレ甲府との勝ち点差は大宮が「1」、広島が「2」と、他会場の結果にもよるが勝てばどちらにも降格圏を脱出できる可能性がある。

◆低調の大宮、復調の広島

▽勝ち点差で「1」上回っている16位の大宮だが、ここに来て再びチーム状態が下降気味だ。伊藤彰監督就任後、3試合で2勝1分けと復調しかけたように思われたが、その後は1試合ごとに黒星。直近5試合では1勝1分け3敗と勝ち点4しか稼げていない。さらに、前節のサガン鳥栖戦では、0-3で敗れ11試合ぶりの無得点。メンバー変更が裏目に出たのか、攻撃が全く機能せず、ビクトル・イバルボの個人技の前に脆くも散った。

▽一方の広島は、7月に森保一監督を解任し、ヤン・ヨンソン監督が就任。5試合を指揮すると2勝1分け2敗と勝ち点7を稼ぎ、降格圏脱出に近づいている。不安定な戦いぶりは相変わらずだが、中断期間にガンバ大阪から獲得した元日本代表DF丹羽大輝、FWパトリックのコンビが徐々にフィット。軸になる働きを見せ始め、わずかながらに安定感が出始めてきた。前節は10試合ぶりのクリーンシートを達成し、今季ホーム初勝利を飾るなど、調子わ上向きと言える。

◆目的を明確に〜大宮アルディージャ〜

▽下降気味のチーム状態は、不明確なゲームプランが一因とも言える。「攻撃サッカー」を掲げて就任した伊藤監督は、就任当初こそ前体制で手付かずだった攻撃の修正に着手。結果が伴わなくとも、前節まで9試合連続で得点が生まれていた。開幕10試合で3得点のチーム状況を考えれば、大きな変化だったが、中断明けの第19節からは守備に綻びが。第22節のアルビレックス新潟戦以外は複数失点を喫している状況だ。

▽守備面での課題も少なくないが、問題は攻撃面の方が大きい。中断期間に加入したFWマルセロ・トスカーノ、MFカウエは能力の高さを見せているが、チームは連動性を欠き、試合中に攻守の比重を判断できていないシーンが散見される。「攻撃サッカー」を掲げてスタートした伊藤体制だけに、今一度明確な指針をピッチに持ち込むことが、結果を生むのではないだろうか。

◆勢いを継続へ〜サンフレッチェ広島〜

▽前節は待望のホーム初勝利を飾った広島。得意としていた「粘り強さ」が結果に繋がり始めている。ヤン・ヨンソン監督就任後の5試合で奪ったゴールは「6」。そのうち4点が後半に生まれ、5点がビハインドの状態で生まれている。J1を制した森保体制の広島は、粘り強く戦い、我慢を継続して白星を積み上げることを得意としていた。「粘り強さ=勝負強さ」こそが、良い時期の広島を表していた。

▽リードを許すシーンが多いのは変わらないものの、追い上げる力が徐々に出てきた広島。前節も堅守が売りの甲府を相手に、粘り強く戦って勝ち点3をゲットした。リーグ優勝を経験しているメンバーも少なくなく、G大阪から加入した2人は3冠経験者でもある。経験値を生かし、試合巧者ぶりを発揮すれば、降格圏脱出も見えてくる。

【予想スタメン&フォーメーション】

◆大宮アルディージャ[4-1-4-1]
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GK:加藤順大

DF:奥井諒、菊地光将、河本裕之、和田拓也

MF:岩上祐三、カウエ、大山啓輔、茨田陽生、江坂任

FW:マルセロ・トスカーノ

▽前節からメンバーを変更すると見る。右サイドバックにはDF奥井諒が復帰。中盤より前は、前節の鳥栖戦と同じメンバーだ。FW江坂任、FWマルセロ・トスカーノは、試合中にポジションをチェンジしてくるはずだ。

◆サンフレッチェ広島[4-2-3-1]
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GK:中林洋次

DF:丹羽大輝、千葉和彦、水本裕貴、高橋壮也

MF:青山敏弘、野上結貴

MF:アンデルソン・ロペス、柴崎晃誠、柏好文

FW:パトリック

▽連携とバランスが生まれ始めたメンバーをいじることは考えにくく、前節と同じメンバーで臨むだろう。前節のビクトル・イバルボの動きを参考にすれば、FWパトリックを活かした戦い方は対大宮には有効と言える。MFアンデルソン・ロペス、MF柏好文のサイドアタック、中央にはチャンスメイクも自ら得点も奪えるMF柴崎晃誠が控えており、ハマれば勝利も見えてくる。

【注目選手】

◆MF江坂任(大宮アルディージャ)
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▽大宮のキーマンは江坂だ。前回対戦では一瞬の隙を突いてゴールをこじ開け、3-0の勝利を呼び込んだ。ゴール付近でプレーすれば、高確率で得点を奪っているだけに、大宮としては江坂をボックス近くでプレーさせたいところだ。マルセロ・トスカーノと同様に、最近は下がってボールを受けゲームメイクに回るシーンも多く、ゴールに絡む仕事でチームを降格圏から脱出させたい。

◆MF柴崎晃誠(サンフレッチェ広島)
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▽広島のキーマンには柴崎をピックアップ。前節は第12節以来のゴールでチームに今季ホーム初勝利をもたらせた。パトリックの加入により、最前線に起点ができたことで、柴崎の得点力が復活する可能性は高い。ラストパスの精度も持ち合わせ、アンデルソン・ロペスや柏を使うこともでき、青山敏弘からのパスに飛び出すことも可能。柴崎がボールに絡めば、何かが起こるだろう。