8月ももう終盤。たくさん出かけた夏のおしまいは、家に人を招いてゆったり過ごすという人も多そうです。そんなときに実践したいのが、涼しげで肩の力の抜けたおもてなし。雑誌『暮らしのおへそ』などで取材や執筆を行う一田憲子さんは、東京の築50年の平屋一戸建暮らし。仕事柄来客が多く、くつろいだ空間の演出を心がけているそう。

「半世紀という歴史のある”家の力”が強いので、しつらいもそれに合わせつつ、お客さまから見てすがすがしく感じられるようにしています」という一田さん。夏にぴったりなおもてなし術を教えてくれました。来客中は食卓を中心に涼しさを演出

食卓はいわば、季節のものをお披露目する小さなステージ。食器、クロス、植物、食べ物…。涼感のある品々が、食卓に散りばめられていきます。とはいえ、堅苦しさは禁物。お客様はもちろん、一田さんも楽しめるように、形式ばらず、さりげなく、をルールに。●種類、サイズ違いのグラスをそろえておく


ビールにワイン、日本酒、ソフトドリンクと好きな飲み物に合わせて選べるよう、さまざまなグラスを用意。「トレーに並べておいて、各自で取ってもらうようにすれば、選ぶ楽しみもあるし、間違えなくていいでしょ」。●取り皿はあらかじめ準備し、自分もくつろぐ


料理は大皿に盛り、取り分けていただくスタイルに。

「小皿を多めに用意して食卓の端に重ねておきます。汚れたらすぐ替えられるし、私もいちいち交換のために移動する手間が省けて汗をかかずにすみます」。これなら招かれた方も、気兼ねすることなくお料理や会話を楽しめることに。●おしぼりを冷やして出す


夏に出すおしぼりは、水で絞ってから冷蔵庫でき〜んと冷やしておきます。

「藍色の花火柄など、季節感を出せるので、タオルでなく手ぬぐいをカットして使用。かさばらず小さく出せるのもいいですね」。●ペーパーナプキンはガラス容器に立てて


口元を押さえたり、食べ物をつまんで汚れた指先をふくのに、ペーパーナプキンも用意。

「ガラスのピッチャーに立てておくと柄が見えてきれいだし、見た目も涼しげになります」。●庭の草花を食卓に飾る


食卓に小さな草花を添えることも。「食事のじゃまにならないよう、庭で摘んできたものを小ぶりな花器に挿す程度。季節感が手軽に出せます」。写真は白い花をつけたドクダミとミントを陶の花器に挿したもの。●涼感たっぷり!おもてなしレシピ


見た目の美しさとシンプルな味がお客さまに好評なパプリカのムース。赤パプリカを牛乳などと一緒にフードプロセッサーにかけ、生クリームとゼラチンを加え固めます。

「上にかけたのはトマトのすりおろし。暑くてもつるんと食べられます。ひとり分ずつガラスの器につくって出すと、おもてなし感も涼しさも増しますよ」。●教えてくれた人
【一田憲子さん】
編集者、ライター。夫と2人暮らし。女性誌で暮らし回りの取材やインタビューを手がけ、『暮らしのおへそ(私のカントリー別冊)』(主婦と生活社刊)の編集ディレクターも務める。著書に『ラクする台所 -毎日毎日ご飯を作る、8人の台所にまつわる物語』(マイナビ刊)など。「外の音、内の香」を更新中。