仕事で国内外を飛び回り、自身のインスタグラムで、世界各地の美味しいものをアップしている、ヒトメディア代表/投資家の森田正康さんによる食連載がスタート。食を大事にし、日々さまざまなお店を訪れる森田さんが、そのなかからどのようにして「お気に入りのお店」を見つけ、お店から「常連」として認めてもらうのか綴ります。DRESSより転載(2017年07月27日付け)

新規開拓するなかで、お気に入りのお店を見つけたい

1年は365日しかありません。初めて入ってみたお店が全部大当たりということはまずあり得ないし、人生であと何日ご飯が食べられるかを逆算すると、新しいお店に出会いながら、贔屓にするお店を見つけることも、とても重要だと思います。もちろん、巨匠やトップランカーのお店は大好きです。それらの大半は、間違いなく大きな感動を与えてくれます。ただ、昨今の美食家の増加やメディアの後押しにより、そういうお店ほど予約が困難になり、僕が押さえているお店のなかでは、「予約は2年後」なんていうお店もざらにあります。待つことは嫌ではないのですが、やはりその日の気分に合ったジャンルのご飯を食べたい気持ちもないわけではありません。どんなに有名店でも、予約が重なって昼夜同ジャンルだったり、フレンチが4連夜続いたりすると、さすがにどれほど美味しいお店でも、感動のアンテナが鈍くなってしまいます。(※写真はイメージです)

「常連」になる自然な方法

では、この予約が取れなくなったお店たちは、開店当初から予約が取りづらかったのでしょうか。それを考えると、新しいお店を開拓する楽しみが出てきます。僕自身、今一番大事にしているのは、独立した若手シェフのお店との出会いです。近年、客が店を選ぶ時代が終わり始めています。先ほどの予約の話もそうですが、店が客を選ぶ時代が始まっているのです。一部の飲食店では、一見さんが増えて、常連が予約を取れなくなる事態を避けようと、ミシュランスターを返上したり、一見さんと常連で予約の枠を分けたりすることが当たり前になっています。ここで、常連になるにはどうしたらいいのか、という疑問が出てきます。もちろん現常連さんからの紹介など、いろいろな方法があると思いますが、一番自然なのは、お店が駆け出しの頃から応援していくことだと思います。大先輩から昔、言われたことがあります。「一流のシェフは、食材の産地がどこだの、どの店に行ってるなど通ぶって会話する人よりも、出した料理をちゃんと食べてくれる人、たくさん食べ続けてくれる人を常連だとみなすのだ」と。そういう意味でも、僕は定期的にお店の新規開店をし、これはと思った若手シェフのお店は最低1年間、月1回は通うことを心がけています。(※写真はイメージです)

「駆け出しのお店」を応援する楽しさ

ちなみに、前段で「若手シェフのお店」と書きましたが、できれば、自分と同年代以下のシェフの店を開拓することを僕はおすすめします。理由は、自分自身がお店と一緒に成長できるから。自分が70歳、80歳になったときにもお付き合いができるお店を、今のうちから育てることも大事だと思うわけです。どんなに美味しいと感じるお店でも、年季の入ったシェフが自分よりも10歳、20歳年上だと、自分が70歳になったときに、今と同じようにお付き合いできなくなっている可能性が高いからです。また、お店を訪ねる度にシェフの成長を間近で見られるのも、楽しいスパイスだと感じています。(※写真はイメージです)

いかがでしたでしょうか。仕事で国内外を飛び回り、自身のインスタグラムで世界各地の美味しいものをアップしている、森田氏の考える「お気に入りのお店」の見つけ方。非常に参考になる部分が多い内容だったのではないでしょうか。【DRESS(ドレス)】DRESS(ドレス)は、自分らしく輝きたい女性のためのWebメディアです。人生を自分らしく楽しむ大人の女性たちに、多様な生き方や選択肢を提案します。ライフスタイルやファッション、ビューティなど、自分の“スタイル”を大事にしたい方に向けたアイデアが満載。DRESSより転載(2017年07月27日付け)