“ネクスト・ムバッペ”を探せぁ屮屮鵐妊好蝓璽編」

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ともに18歳で1億ユーロ超えの値札がついているムバッペやドンナルンマの成功は、U-20の価値を再認識させた。今日のサッカー界で最も資産価値が高い選手は「トップレベルの経験を積んでいる10代」だ。若ければ若いほど大きなお金が動く。早期のトップチームデビューのトレンドは今後ますます加速していくはずだ。ここでは“ネクスト・ムバッペ”となり得るU-20の有望株をリーグごとに紹介。未来のスターを、いち早くチェックしよう。

文 遠藤孝輔

アフガニスタンにルーツ。プレーも性格も“大人”なアタッカー

Nadiem AMIRI
ナディエム・アミリ
1996.10.27(20歳)180cm/73kg GERMANY
ホッフェンハイム

 今夏のU-21欧州選手権にドイツ代表の最年少メンバーとして参加。攻撃の切り札として4試合に途中出場し、デンマークとのGS第2戦で1ゴールを記録した。イングランドとの準決勝ではPK戦で5人目のキッカーを務め、勝利を手繰り寄せるシュートを決めている。

 8年ぶりの欧州制覇に貢献したこの攻撃的MFは生まれも育ちもドイツながら、実はアジアにルーツを持つ。両親は戦火を逃れるため、1988年にドイツへと渡ったアフガニスタンからの移民で、従兄弟のズバイル・アミリはアフガニスタンの現役代表だ。そんな家族の苦労を知るからだろう。本人は現在、ドイツ社会の課題となっている移民問題から目を逸らさず、むしろ難民キャンプを訪れて人々を励ます活動などに精を出している。

 20歳にして成熟した大人の一面をのぞかせるアミリは、ピッチ上でのプレーも垢抜けている印象だ。華麗なルーレットで敵を翻弄すれば、ドリブルで豪快に持ち運んでから決定的なシュートやラストパスを放つ。相手が格上でも臆するようなところはなく、自信に満ちたパフォーマンスを繰り返し、16-17シーズンに躍進したホッフェンハイムで定位置をつかんだ。しかし、本人が見据えているのはもっと上だ。8年前のU-21欧州選手権優勝メンバー(ノイアーやエジルなど)のように、メガクラブで活躍する日を夢見ている。まずは今シーズン、自身初挑戦となるCLで真価を証明し、ステップアップの可能性を広げたいと考えているはずだ。

晴れて“高卒”。サッカーに専念し、18歳でレバークーゼンの顔へ

Kai HAVERTZ
カイ・ハベルツ
1999.6.11(18歳)186cm/77kg GERMANY
レバークーゼン

 元ドイツ代表FWハイコ・ヘルリッヒを新監督に招へいした新生レバークーゼンの“顔”になり得る逸材だ。ほんの1年前まで無名の存在ながら、16年10月にクラブ史上最年少の17歳126日でブンデスリーガデビューを果たすと、わずか半年あまりで主力の座に上り詰めた。首脳陣がチャルハノルの退団を半ば認めているのも、同じ攻撃的MF(ボランチやウイングでもプレーできる)として台頭したこのレフティがいるからだ。

 186cmの大型MFゆえレバークーゼンのOBであるバラックに例えられることもあるが、その先達のようなフィジカルの強さは備えていない。大きな魅力は的確な状況判断や次の展開を読める眼で、ボールを保持した時に複数人に素早くアプローチされても、持ち前のボールテクニックを駆使しながら慌てずに打開策を見出す。フィニッシュに難がある弱みを含め、似通うのはエジルだろう。実際、本人も彼のプレーには影響を受けていると語っている。

 ビッグクラブを率いるのは初めてのヘルリッヒに、この俊英を中軸に据える度胸があるかはともかく、ハベルツがさらなる飛躍を遂げる可能性は十分にある。今年6月のアビトゥーア(大学へ進学するために必要な資格)試験に合格したからだ。これで学業との両立に勤しみ、時には試合欠場を余儀なくされた昨季とは異なり、今シーズンはよりサッカーに打ち込めるはず。今や国外クラブからも視線を寄せられる18歳が、その成長スピードをますます加速させそうだ。

兄より、むしろフンメルスのよう。トップ昇格勝ち取った“ゲッツェ弟”

Felix GÖTZE
フェリックス・ゲッツェ
1998.2.11(19歳)185cm/78kg GERMANY
バイエルン

 名前だけで人々の興味を引き寄せられるタレントが現れた。フェリックス・ゲッツェ。そう、マリオ・ゲッツェを兄に持つ19歳の俊英が5月下旬、バイエルンのトップチームへの昇格を決めたのだ。契約は19年夏までで、ラームやミュラーを育て上げた名伯楽のヘアマン・ゲアラント(バイエルン育成統括部長)に「才能豊かな選手だ」と言わしめている。

 兄との共通点は多くない。ドルトムントの下部組織(14年夏にバイエルンU-17へ)で育ったのは同じだが、そもそも背格好からして違う。小柄なマリオに対し、フェリックスは185cm。得意とするポジションはCBで、守備的MFとしてもプレーできる。足下の技術レベルが高く、フィードセンスも兼備。まだまだ線の細さは否めないが、左右両足を遜色なく使いこなすスライディングタックルや、ピンチでもクレバーに振る舞うプレーぶりは、むしろフンメルスを彷彿させる。

 その名手と同じ釜の飯を食う今シーズン、本人は「チームの勝利に貢献すること」を目標に掲げている。ただ、バイエルンの選手層は厚く、現状の序列はCBの5、6番手。昨季の時点でブンデスリーガ4試合のベンチ入りを果たしたものの、すんなりとデビューできる保証はない。当面は4部リーグ所属のセカンドチームが主戦場になる可能性もある。

 それでもスタートラインに立ったのは確か。幼い頃から憧れ、その背中を追い続けてきた実兄が挫折を味わったクラブで、フェリックスはどんな一歩目を踏み出すのか。大きな注目を集めそうだ。

U-20の新世代タレントをリーグごとに紹介!

8月22日(火)公開: 屮廛譽潺▲蝓璽以圈
8月23日(水)公開:◆屮札螢A編」
8月24日(木)公開:「リーガ編」 「特別編:ダニ・セバージョス」
8月25日(金)公開:ぁ屮屮鵐妊好蝓璽編」

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