移設する東京アニメセンターのイメージ(写真: 大日本印刷の発表資料より)

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 大日本印刷(DNP)は25日、日本動画協会が7月まで秋葉原UDXで運営していた「東京アニメセンター」を、市カ谷のDNPプラザにて10月よりリニューアルオープンさせることを発表した。DNPが開発するVRやARといった新しい観賞技術や、アニメの原画を活用した展示、ワークショップによるイベントなど日本のアニメ文化を市カ谷を拠点に発信していくという。

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 国内のアニメ産業の市場規模は、09年の1兆2,542億円から15年の1兆8,255億円と6年連続の拡大を続けている。現在は第4次アニメブームと言われ、海外からもクールジャパンとして大きな支持を集めている。一方で、各コンテンツは優れているものの発信力に乏しく、アニメの魅力を披露するスペースが不足しているという課題もあった。

 「東京アニメセンター」は06年にアニメ文化の情報発信やクリエイターの育成を目的に秋葉原UDXにて開設され、近年では国内外から年間約20万人の来場者を集めていた。DNPとしては国内外で知名度が高く来場者の実績も高い「東京アニメセンター」を市カ谷にある「DNPプラザ」に誘致することで、独自の印刷技術を活用した優れたコンテンツを国内外に展開していく狙いがある。

 DNPは14年より出版社などと共同で、日本のアニメや漫画から生まれたキャラクターの魅力を最新のVR技術を活用して世界に発信していく活動に取り組んでいる。7月には集英社や講談社等と共に「日本キャラVR祭」と称した最新のVR技術を活用する特設ブースを、ロサンゼルス、パリ、ロンドンで開催されたクールジャパンイベントにて紹介してきた。

 印刷業界は現在、既存の技術を活用できるVRに大変注力をしている。デジタル化が進展する中で研究開発を続けていた高精細CG技術を大いに生かせるからだ。雑誌やカタログの印刷を手掛ける過程で、読み手の視線も研究してきたことも大きいという。

 DNPはその他、ヘッドマウントディスプレイによる「体感する地球儀」やARを活用した能楽鑑賞システムなど分野を問わず、新しい時代に向けた体感型サービスを展開している。一方で、業界首位の凸版印刷もデジタルアーカイブ技術を生かし、現存しない建造物や文物の内部構造などを鑑賞できる仮想体験を提供している。印刷市場が縮小しているなかで、事業の多角化を図る大手印刷会社の新たな動きには今後も注視していきたい。