ホンダジェット(写真: 本田技研工業の発表資料より)

写真拡大

 ホンダによる小型ジェット機「ホンダジェット(HondaJet)」が、2017年上期(1〜6月)に24機の出荷を達成し、小型ジェット機(重量5.7トン以下)分野で初めて世界一になった。

【こちらも】”空飛ぶスポーツカー”HondaJet、小型ジェット機で最多のデリバリー数達成

 ホンダジェットは15年12月の納入開始に至るまで開発に30年の歳月をかけ、創業者・本田宗一郎氏が抱いていた飛行機への憧れを自社ブランドの商品という形で実現したもので、エンジンが主翼の上にある外観を特徴とする。

 生産開始直後の時期には1カ月1〜2機程度がやっとの状態だったが、作業員の習熟度が向上したため現在は1カ月4機の生産が可能になった。今後はフル稼働の目標としていた年間生産量80機を目指すとしている。従来、北米・中南米やヨーロッパの企業トップに向けていた営業活動を、5月からは既に東南アジアでもスタートし、中国での受注も検討中である。

 同社は「ホンダジェット」開発の狙いを、小型ビジネスジェット機の限界を超えて利便性や快適性を高めるところに置いたが、燃費効率の高さや室内の広さに着目する顧客も多く、米セスナやブラジルのエンブラエルといったライバル社の対抗機種を上回る人気を集めることにつながった。

 最大7人乗りで、価格は490万ドル(約5億3千万円)であり購入客層は限られるが、競合他社の既存機を真似ない気概が受け入れられたと言える。

 それにしてもである、カテゴリーが違うのであるから単純比較がナンセンスであることは十分承知の上で、三菱航空機が開発中のジェット旅客機「MRJ」を連想してしまう。「MRJ」の初飛行は15年11月11日だった。15年の同時期に日本中を沸かせたジェット機にこれほどの格差が生まれようとは、誰も予想しなかっただろう。その「MRJ」は5回の納入延期を繰り返し、現在土俵際での作業が進んでいる筈だが、22日に試験飛行中の試験機のエンジン1基が損傷のうえ停止したため、目的地を変更して着陸していたことが明らかになった。同機の試験飛行中のエンジン停止は初めてのことで、原因は調査中であるという。

 ホンダジェットの快挙については素直に祝意を表し、MRJの苦難については心からの声援を送りたい。