フォルモサット1号のイメージ図=国家宇宙センター提供

写真拡大 (全2枚)

(台北 25日 中央社)初の純国産高解像度地球観測衛星「福衛5号」(フォルモサット5号)は25日午前2時51分(現地時間24日午前11時51分)、米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地からファルコン9ロケットで打ち上げられ、台湾の宇宙開発史に新たなページが開かれた。人工衛星にまつわるエピソードを通じて、これまでの歩みを振り返る。

▽台湾初の人工衛星「福衛1号」

地上約600キロの軌道を回る低軌道衛星で、1999年1月27日、米フロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられた。2004年6月18日に運用終了となった。

一部の部品のみが台湾製だったものの、世界で33 番目の人工衛星保有国になったことの意義は大きい。当時の国家科学委員会(現科技部、科学技術省に相当)が1億台湾元(約3億6000万円)の保険をかけた。

▽台湾初のリモートセンシング衛星「福衛2号」

2004年5月21日に米バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた高解像度地球観測衛星。同じ地点を1日2度通過するように設定されており、北極・南極のデータを毎日集めることができた当時唯一の人工衛星だった。

2006年、台湾東部の港で、外国籍貨物船による油漏れ事故が発生した。損害賠償訴訟を起こした台湾を勝訴に導いたのは、同機が捉えたクリアな映像だったという。

2011年の東日本大震災では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に、東北地方の観測データが提供されている。

2016年8月19日に予定より7年長い12年間の任務を終えた。

▽現役で活躍する台湾初の気象衛星「福衛3号」

2006年4月15日に米バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられた。6機の小型衛星を放出して地球の大気圏と電離層を観測、「宇宙で最も正確な温度計」と呼ばれる。1機が連絡を絶ったため、現在は5機で運用中。

▽計画が頓挫した「福衛4号」、「福衛6号」、「蕃薯号」

福衛4号は、5機の小型衛星を搭載したリモートセンシング衛星で、解像度6.5メートルの連続写真を毎日提供できるとされ、農作物の生長や森林の変遷、災害分析などへの活用が期待されていた。2008年打ち上げの予定だったが、調達がらみの汚職事件が発覚して頓挫。計画は「福衛5号」の名で引き継がれた。

福衛6号は、初の純国産GPS衛星。台湾は、2012年に自力で打ち上げるべく研究開発を進めていたとされるが、2009年、再評価によって計画は白紙に戻された。

蕃薯号は、国家宇宙センター(国家太空中心、NSPO)、大学、民間企業が共同で研究開発した、一辺の長さが10センチの立方体で、体積がサツマイモ1個ほどの超小型衛星。2002年に組み立てとテストを終了、米国や日本の超小型衛星とともにロシアのロケットで打ち上げられる予定だったが、ロシア政府の反対で頓挫した。

▽来年打ち上げ予定の福衛7号

福衛3号の後継機。13機の小型衛星からなる人工衛星群で、来年6機を打ち上げ、5年間の任務に当たる予定。毎日1万2000〜1万8000カ所の大気データを提供するほか、電離層がGPSに及ぼす影響を調べることもでき、国民の暮らしや国防技術の発展に役立つことが期待されている。

(林孟汝/編集:塚越西穂)