22日のメキシコデビュー戦でゴールを決めた本田圭佑【写真:Getty Images】

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左足ミドルで初ゴール。衝撃的なメキシコデビュー

 8月22日のベラクルス戦でリーガMX(メキシコリーグ)デビューを果たし、ゴールも奪った本田圭佑。24日に発表された日本代表にも名を連ね、現地時間26日にはW杯アジア最終予選前最後のリーグ戦に臨む。デビュー戦ではインテリオールや2トップ気味の位置でのプレーとなったが、次戦では“偽9番”で起用される可能性もありそうだ。(文:河治良幸)

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 ホームのベラクルス戦で後半13分から登場し、左足のミドルシュートによるゴールで衝撃的なメキシコデビューを飾った本田圭佑。24日には日本代表メンバーに選ばれており、現地時間の26日に行われるティファナ戦をもって帰国できることは日本への移動時間を考えてもメリットだろう。

 あとはティファナ戦でどれだけの時間プレーでき、どういったパフォーマンスを見せられるかが重要になるが、開幕3連敗から3連勝で5位に浮上した流れをさらに乗せていく活躍が期待される。気になるのはベラクルス戦で負傷交代した選手の状態だ。

 左ウィングのエリック・アギーレと3トップの“偽9番”的な役割を担っているアンゲロ・サガルは欠場が確定的。メキシコ代表に選出された左インテリオール(インサイドハーフ)のエリック・グティエレスがベラクルス戦ですでに3人が交代した後に足を痛め、プレー続行が不可能となったが、状態を見ながらディエゴ・アソロンソ監督がゴーサインを出せばメンバーに入りそうだ。

 ベラクルス戦ではサガルに代わって投入された本田。すぐにグティエレスが負傷でピッチから退いたため、[4-3-2]の様な形になったが、もともと予想されたインテリオールだけでなくセカンドトップ、あるいはサガルがやっている[4-3-3]の“偽9番”のポジションで起用されていく可能性も出てきた。

 左右のウィングより少し下がり目にポジションを取り、相手CBとボランチの間でアクセントになる役割は時に“偽9番”とも呼ばれ、バルセロナのリオネル・メッシやローマのフランチェスコ・トッティが担ったことで有名だが、システムの最前線で相手CBを背負うよりも、左右のウィングと並列か少し下がり目でラインのマークを浮かせる状態を作る。

トップ下&1トップをこなせる本田。“偽9番”は適任か

“偽9番”のメリットは左右のウィングが高い位置を取れてさえいれば、多少中央から動き回り、引いて中盤と絡んでも、相手のDFラインをプッシュアップさせることなく中央のスペースを確保できるということ。もともとMFの選手であるサガルをアロンソ監督が3トップの中央で重用するのもそうした役割を求めるためだろう。

 トップ下の資質があり、必要なら1トップもこなせる本田は確かにこの役割に適している選手かもしれない。ただ、パチューカの攻撃において戦術的な機能のカギを握るポジションはそれだけ責任が重くなる。

 パチューカでサガルの他にこの役割を担いうる選手はベラクルス戦で本田と同時に投入されたホセ・マルティネス、289番を背負う17歳の逸材ロベルト・デラロサあたりだ。

 対するティファナは昨季の前期リーグと後期リーグの両方で1位となった強豪。リギージャと呼ばれるトーナメント方式のプレーオフで前期は準々決勝、後期は準決勝で敗れたものの、チーム力の評価はメキシコでも上位だ。現在12位と躓いており、代表ウィークによる中断を前に浮上のきっかけを掴みたいだろう。

 エースはここまで3得点のアルゼンチン人FWグスタボ・ボウだが、3日前にはセリエAのローマからはフアン・マヌエル・イトゥルベも獲得しており、デビューが待たれている。

 パチューカとしては敵地でティファナの攻撃陣をしっかりと止めながら、いかに自分たちのリズムで良い時間帯を作っていけるかがポイントになる。時には前線の10番ホナタン・ウレタビスカヤや本田を起点としたカウンターも有効になるだろう。

[4-4-2]というオプションは持っているが、開幕戦から[4-3-3]を使い続けてようやくチームが上向いている状況であり、アロンソ監督としても継続させたいだろう。背番号2を背負う本田が“偽9番” として新境地を開拓するのか、インテリオールのポジションで攻撃を組み立てるのか、ベラクルス戦に続くゴールも期待されるが、起用法にも注目したい。

(文:河治良幸)

text by 河治良幸