健康な20歳女性であっても高山病の危険が(画像は『Philly.com 2017年8月22日付「Collegeville woman dies on hiking trip in Colorado」(FROM FACEBOOK)』のスクリーンショット)

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南北に走るロッキー山脈のおかげで、コロラド州には標高14,000フィート(4,270m)を超える山が50峰以上あることをご存じだろうか。州都のデンバー市ですら空港や街が標高1600mを超え、“The Mile High City”の異名をとる。その近郊のボルダーは高地トレーニングの聖地としても有名だ。このほどそんなコロラド州で、それまで健康であった女子大学生が登山中に急死してしまった。

登山中の高山病により死亡したとみられるのは、ペンシルベニア州カレッジビルから来ていた20歳のスザンナ・デフォレストさん。友人と一緒の旅で、スキーリゾートとして有名なアスペンを擁するコロラド州ピトキン郡の山々を登る準備も万端というなか、一行は17日にコナンドラム・クリーク・トレイルから出発した。目指したのは標高2,651〜3,413mという13.6kmのコースで、起伏にとんだなかなかハードなコースであるという。

その途中でスザンナさんは徐々に体調不良を感じるようになり、息切れに続いて吐き気を催し、ついに嘔吐した。全身症状が急激に悪化したため友人が911番通報を試みたが、そこは電波の圏外であった。スザンナさんに付き添うことにした友人1名と救助を求めるために下山した友人2名。同郡保安官代理のアンソニー・トダロ氏は22日の午後の会見で当時の状況をこう説明している。

「コースはもちろん駐車場ですら電波は通じていません。彼女たちがやっと電波が通じる場所を探した時は午後10時45分にもなっていたのです。通常、夜間に救助隊員が出動することはありませんが、女性の所在もわかっていることからヘリコプターでの出動が決まりました。キャンプ場の近くは強風で近づけず岩盤地帯になんとか着陸しましたが、すでに午前3時30分になっており、スザンナさんの命を救うことは叶いませんでした。」

スザンナさんはペンシルベニア州ランカスターの芸術大学「Pennsylvania College of Art and Design」でデザインを学んでいたが、先の学期には優秀な成績につき「Dean's List」入りも果たしていたという。人を笑わせることが大好きという明るい性格で誰からも愛されており、家族や友人の悲しみはあまりにも深いもようだ。トダロ氏は検視当局の報告を待ちたいとしてスザンナさんの死因について言及を避けたが、母親であるケイト・デフォレストさんはFacebookに「高山病を起こしてしまったようです。友人たちは娘の命を救おうと本当に一生懸命やってくれました」と綴っている。

なおトダロ氏は、「険しい地形の登山で命を落とす者の数は極めて少ないと言われていますが、ここピトキン郡では登山者を中心に今年はすでに5名の死者が出ています。また捜索や救助を要請するための通報が6月以降90件以上入っています」と述べている。

2014年の夏、人気歌手のレディー・ガガがワールドツアー「ArtRave: The Artpop Ball」のデンバー公演で体調不良を訴え、病院へ急行したことがある。酸素マスクをつけた写真を公開し、「高山病は笑いごとじゃないわ」とのキャプションを添えていたガガ。空気中の酸素濃度が低い高地での無理は禁物、高山病は若い人にも無縁ではないことを強調していた。記者もモンタナ、ワイオミング、ユタ、アイダホなどの国立公園を巡るためにデンバー空港を利用したことがあるが、降機とともに心拍数が上がったことに驚いたものである。

画像は『Philly.com 2017年8月22日付「Collegeville woman dies on hiking trip in Colorado」(FROM FACEBOOK)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)