タイ・バンコクの最高裁判所に到着し、報道陣に向かって話すインラック・シナワット前首相(2017年7月21日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】(更新、写真追加)タイ最高裁判所は25日、職務怠慢の罪で起訴されたインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)前首相(50)がこの日予定されていた判決公判に出廷しなかったことから、逃亡の恐れがあるとして逮捕状を出した。インラック氏は判決公判で有罪になれば、最長で禁錮10年と政治活動の生涯禁止が科せられる可能性がある。

 最高裁前にはインラック氏を一目見ようとする支持者らが大挙して詰めかけ、警備に当たる治安部隊の数を圧倒した。しかし、インラック氏は姿を見せなかった。

 裁判長は法廷で、インラック氏が弁護士を通じ「病気なので判決を遅らせてほしいと求めてきた」とを明らかにしたうえで、「裁判所は同氏が病気だとは信じていない」ため「逮捕状を出すと決定した」と説明。判決公判を9月27日に延期した。

 タイ初の女性首相だったインラック氏は2014年、軍事クーデターで失職した後、在任時のコメ買い上げ制度をめぐる職務怠慢の罪で起訴された。兄のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相は、汚職で禁錮2年の有罪判決を受け、2008年から国外逃亡中だ。インラック氏が有罪判決を受ければ、10年以上にわたってタイ政界に影響力を持ってきたタクシン派にとって大打撃となる。

 問題となっているコメ買い上げ制度は、政府が貧しい農村からコメを担保として買い取る融資制度だった。しかし、その価格は市場の最大2倍という高値で、タクシン一族が支持基盤とする農村部に莫大なカネをもたらした一方、汚職が横行し国に多額の損害を与えたとされる。

 インラック氏は「巧妙な政治ゲーム」の犠牲になったとして無罪を主張している。
【翻訳編集】AFPBB News