今年の夏は、梅雨らしい梅雨がなかったり、各地大雨に見舞われたり、8月に入り気温が上がらなかったり。そうこうしてるうちにお盆も過ぎ、秋の足音が聞こえてきた…と感じてらっしゃる方も多いのでは。筆者も毎日仕事に追われ、短い夏季休暇もアッという間に終わってしまい、今年も短い夏が終わってしまいそうです。
しっとり落ち着いた大人の映画を観て秋を迎えたくなってきました。


「タイムトラベル」が共通点、後味爽やかな感動作です

◆「オーロラの彼方に」(2000年・アメリカ映画)
亡くなった、消防士の父親と父親の趣味だったアマチュア無線機を通して交信できるようになった刑事の息子の交流を描いた「オーロラの彼方に」。
幼い頃、父親を亡くした主人公の刑事は、優しい看護師の母の愛情を受け、ちょっと頼りないですが、実直な青年へ成長していました。しかし突如現れたオーロラがきっかけで、無線を通じて亡くなった父と交信できるようになります。勇敢で優しかった父親に導かれ、彼らを運命づけた様々な悲しい出来事を未然に防ぎ、最後は父と共に悪党と向き合い…という物語。最後の結末は言えませんが、心温まるハッピーエンドで終わります。次々とタイムパラドックス(過去を変えたことにより起こる現実世界のねじれ)が起こるので賛否両論はあるかもしれませんが「大人のファンタジー」として観賞すれば、爽やかに感動できる物語です。大人になれば誰しも「あの時、こうしてれば」「あの人が生きていてくれたら」と思ったりするものですよね。過去に起こった事件の謎を解くミステリーの要素もあり、又主人公が父親との交流を通して、勇敢で優しい父親に近づいていくかの如く成長していくのも見所です。秋の夜長にじっくり腰を据えて観たい一本です。

主人公の住む街・NY郊外に突如現れたオーロラ。このオーロラがきっかけで父親と交信できるように…

◆「バタフライエフェクト」(2004年・アメリカ映画)
題名の「バタフライ効果」はカオス理論の一つで…日本でいう「風が吹くと桶屋が儲かる」だそう。まさに、日常の何気ない決断が後々の運命に大きな影響を及ぼすという事を描いた作品です。
主人公の大学生は自分が書きためてきた日記を読み返すと、その日記を書いた時点にタイムトラベルができる能力を発見し…自分や周りの人々の人生を運命づけてしまう出来事が起きた時点に行き運命を変えていくのですが、変えて現実世界に戻ってくると、代わりに他の人物や自分が悲惨な運命になっているのです。その度にタイムトラベルを繰り返しますが、尽きない周りの人々不幸に、主人公の勇気ある行動で、運命を受け入れることにします。「オーロラの彼方に」はタイムトラベルを続け、幸せを掴みますが、「バタフライエフェクト」は「あの時ああしていたら…」を繰り返し、結局は無意味であり運命を受け入れる…どちらも「タイムトラベル」の大人のファンタジーですが最後の主人公の結末は真逆なような気がします(あくまで筆者の見解ですが)。両方の作品を改めて見較べたくなってきました。どちらの作品もその時の自分の置かれた状況や気持ちによって共感する部分が違ってくる、筆者は何度も観たい作品です。
どちらの作品も「タイムトラベル」で物語が進む、ファンタジー…現実には起こりえない事です。でも、大好きだった家族が蘇ってくれたら、もしあの時の決断を変えられたら…大人になってはじめて願う気持ちではないでしょうか。まさに大人でしか味わえないファンタジーです。又、どちらも大スター(「バタフライエフェクト」主演のアストン・カッチャーは公開当時はアイドルスターの全盛期でしたが…)が出演しているわけでもなく、派手な展開があるわけでもありませんが、この秋はしっとり大人のファンタジーで、静かな感動を味わってみませんか。