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女性を中心に人気のSNS「Instagram(インスタグラム)」。フォトジェニックな「インスタ映え」スポットが話題になる一方で、写真撮影が目的化していることへの反発も強い。

ツイッター上では6月、インスタ映えすると流行のアイスショップのゴミ箱に、大量の食べ残しが捨てられている画像が話題に。この夏は、ナイトプールで「ガチ泳ぎ」するという反インスタ動画がバズったり、レコードショップで何も買わず、写真だけ撮って帰る女性たちに非難が集まったりもした。

「インスタの闇」の実態はどうなっているのか。今回はスイーツに絞って、街中のインスタスポットを調査した。本当に「インスタ女子」は写真だけ撮って、「カロリーが気になる」と捨ててしまうのだろうか?

●同行を依頼したインスタ女子に叱られる

弁護士ドットコムニュースの記者が向かったのは、スカウトのメッカとしても有名な東京・原宿。10代〜20代の女性を狙って、おしゃれなスイーツショップが多数出店しているエリアだ。人気店ともなれば、着飾った少女たちや外国人観光客が、1時間待ちの行列をつくることもザラだという。

人混みの中、メインストリートの竹下通りをくだると、まず目に入ったのが、カラフルな円錐形の綿あめを手にした外国人観光客。周囲には、綿あめを手に写真撮影する少女たちの姿もある。しかも、この綿あめ、縁日の綿あめの2倍くらいはありそうだ。

これは食べきれないだろうと、期待に胸を膨らませる(?)記者。しかし、店の前のゴミ箱をのぞいてみると、何十本もの棒が刺さっているのに食べ残しは1本も見当たらない。「あれっ、完食している…」

気を取り直して、向かったのは、色とりどりのあられをトッピングしたソフトクリームのお店。このあられ、香川の伝統菓子だそうで、丸っこい形がなんともかわいい。

店内には、カラフルな風船をあしらったフォトブースが用意されており、アイスを受け取った客が次々に写真を撮っていた。記者も記念にパシャり。

こちらも店の前のゴミ箱に食べ残しは見当たらない。「アイスを捨てているマナーの悪い人と一緒にされたくないです。食べ物なんだから、食べるのは当たり前。普通はみんな食べてますよ」とは、同行してもらった「インスタ女子大生」の言。それもそうか…。

ほかに2つの人気店をのぞいてみたが、やはりゴミ箱に食べ残しは見当たらなかった。店員が片付けている可能性もあるが、しばらく観察した限りでは、みんな食べ切っているようだ。

●「パシャ→ポイ」とまでは言い難い

それでは、ツイッターで食べ残しが話題になった店はどうか。弁護士ドットコムニュースの記者は8月、店を2回訪ねた。

アイスは、常時十数種類用意されているカラフルな手作りコーンと、ハート型のプレッツェルなどのトッピングがおしゃれだ。記者の前に並んでいたカップルは時間をかけてオプションのチョコレートを選び、ハートのプレッツェルをくっつけて写真を撮っていた。

ゴミ箱を開けると、食べかけのコーンやプレッツェルが7、8個…。しかし、50人ほどの客を観察したが、食べ残しを捨てた人は1人だけ。1週間後に訪ねたときは、食べ残しはゼロだった。

日に数百個売れていると考えると、食べ残しは数パーセントと言ったところ。少なくとも、アイス部分は完食されており、「パシャ→ポイ」というまでの状況ではなさそうだ。

写真は一面の真実を表す。一方で、インスタ写真の背景に迷惑行為が隠れているかもしれないように、それを批判する写真などにもすくい取れていないものが隠されている可能性がある。

このアイス屋のゴミ箱のツイートは3万7000回以上RTされた。SNSではインパクトの強い画像が拡散されやすく、そうした画像はさらにメディアが取り上げ、イメージだけが増幅されていく。しかし、実際に現場に行ってみると「意外とそうでもない」光景が広がっていた。

(弁護士ドットコムニュース)