電球(2012年12月22日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】伸ばしたりねじったりすることで発電する「糸」を開発したとの研究結果が24日、科学誌に発表された。米韓の科学者らによる研究。

 米科学誌「サイエンス(Science)」に掲載された研究論文によると、「ツイストロン(twistron)」と呼ばれるこの素材を利用することで、海の波の動きや温度の変化からエネルギーを得ることも可能になるという。

 論文の共同執筆者で、米テキサス大学ダラス校(University of Texas at Dallas)のカーター・ヘインズ(Carter Haines)准研究教授は「ツイストロンによる発電をイメージする最も簡単な方法は、1本の糸を持ち、それを引き伸ばすと電気が生じると考えればよい」と語った。

 論文によると、この糸はカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)で構成されているという。カーボンナノチューブは炭素でできた中空の管で、直径が人の毛髪の1万分の1しかない。

 電気を発生させるには、糸をイオン伝導性の溶液(電解液)に浸すか、コーティングする必要がある。電解液は、普通の食卓塩と水の混合液のような簡単なものでよい。論文の共同執筆者で、テキサス大ダラス校ナノテク研究所の研究員のリ・ナ(Na Li)氏は「カーボンナノチューブの糸を電解液槽に浸すと、糸が電解液それ自体によって帯電する」と説明し、「外部電池や外部電圧は必要ない」ことを付け加えた。

 ただ、研究はまだ初期段階にあり、ツイストロンは少なくとも現時点ではまだ、大規模発電プロジェクト向けの技術ではないと、研究者らは注意を促している。

 それでも、論文によれば、屋内実験の結果「イエバエの体重にも満たない量のツイストロンで、小型のLEDを点灯させることができた。LEDは糸を引き伸ばすたびに点灯した」という。

 また、別の実験では、ツイストロン糸をシャツに縫い込むと、自己電源供給型の呼吸モニターとして機能することが示されている。

 リ氏は「分布型センサーの配列など、『モノのインターネット(Internet of Things、IoT)』に電力を供給するための(潜在的な)廃エネルギーの利用には、大きな関心が集まっている」と指摘しながら、「ツイストロン技術は、電池交換が実用的でないような応用分野で活用される可能性がある」と説明した。

 今回の研究には、韓国・漢陽大学(Hanyang University)の研究者らも参加した。研究は、米空軍、米航空宇宙局(NASA)、米国海軍研究局(ONR)、ロバート・A・ウェルチ財団(Robert A Welch Foundation)、韓国・未来創造科学省などから資金供与を受けた。
【翻訳編集】AFPBB News