健常者とがん患者の尿に対する線虫の反応(ヒロツバイオの発表資料より)

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体長たった1ミリの線虫が一滴の尿からがんを発見する!? 九州大学発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」(ヒロツバイオ)は2017年8月21日、泌尿器科の医療機関「ヒルズガーデンクリニック」(那覇市)と共同臨床研究を開始したと発表した。

ヒルズガーデンクリニックは泌尿器関係の悪性腫瘍を専門に治療しており、まず前立腺がんの早期発見の有効性を検証する。

線虫はがん患者の尿が大好き、健康な人の尿は嫌う

ヒロツバイオの発表資料によると、検査で使われる線虫は、体長約1ミリのヒモ状の動物。線虫は、犬と同等の優れた嗅覚を持っており、好きな匂いには誘因行動、嫌いな匂いには忌避行動を示す。これまでの研究では、がん細胞特有の分泌物の匂いに対して反応し、がん患者の尿には引き寄せられ、逆に健常者の尿から逃げるという結果が出ている。線虫を使うがんの尿検査の技術はこの性質を利用したもので、「n-nose(エヌ・ノーズ)」と名付けられた。2016年12月に発表した研究成果では、線虫ががん患者を「がん」と判定する感度は93.8%の高精度を示し、早期発見の期待が高まっている。

ヒロツバイオでは、ヒルズガーデンクリニックとの連携で、まず前立腺がんの研究を進めたうえ、消化器がんや乳がん、悪性リンパ腫の症例数を増やし、線虫を使った尿検査によるがんの早期発見の実用化を目指したいという。