格付けが難しいトップ下。最右翼の香川の状態が思わしくなければ……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 8月24日、日本協会はロシアワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦とサウジアラビア戦に臨む日本代表のメンバー27人(GK3人、フィールドプレーヤー24人)を発表した。ここでは、基本システムの4-3-3に沿って、MF&FWの序列を考察する。
 
【MF】
ボランチ:◎長谷部誠(フランクフルト)/◎山口蛍(C大阪)/△井手口陽介(G大阪)/△郄萩洋次郎(FC東京)
トップ下:◎香川真司(ドルトムント)/〇小林祐希(ヘーレンフェーン)/△柴崎岳(ヘタフェ)
 
 右膝の負傷も癒えた長谷部が復帰。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のヴィジョンを誰よりも理解するキャプテンの帰還は心強く、コンディションもトップフォームに近いようで、2ボランチのファーストチョイスであるのは間違いない。
 
 6月のイラク戦は右脛を痛めて欠場していた山口だが、現在は特に問題はなく、スタメンに名を連ねるだろう。中盤の防波堤になりえる高い守備力の持ち主に、指揮官は「より攻撃のプレーを見せてもらいたい。身体的な特長やテクニックを考えれば、もっとできる」と注文をつける。
 
 そのイラク戦で先発した井手口だが、長谷部と山口が健在なら、控えが濃厚か。3月シリーズで負傷離脱した郄萩は、展開力や海外でのプレー経験が評価されているものの、まずは課題を指摘された守備の改善に努めたい。
 
 格付けが難しいのが、トップ下だ。状態が万全なら“香川一択”だが、6月のシリア戦で左肩を負傷し、「コンディションを取り戻しているところ」(ハリルホジッチ監督)。それでも実戦復帰は果たしており、ここではスタメン候補としたが、回復具合が思わしくなければベンチスタートもあり得る。
 
 背番号10の代役となるのは、小林か、柴崎か。指揮官は、前者について「海外でのリズムにも慣れていて、性格も強い。数少ない左利きでもあります」、後者については「ここ最近の2試合をチェックしましたが、非常に興味深いプレーをしていました」と、小さくない期待を寄せている。
 
 どちらも所属クラブで定位置を確保し、試合勘に問題はなさそうだが、フィジカル勝負になる可能性が高いオーストラリア戦を見据えれば、柴崎(175センチ)より身長が7センチ高く、空中戦に期待を持てる小林(182センチ)が一歩リードと見る。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=三番手

【日本代表PHOTO】豪州・サウジ戦へ向けた招集メンバー27人

【FW】
CF:◎大迫勇也(ケルン)/〇岡崎慎司(レスター)/△杉本健勇(C大阪)
右ウイング:◎久保裕也(ヘント)/〇本田圭佑(パチューカ)/△浅野拓磨(シュツットガルト)
左ウイング:◎原口元気(ヘルタ・ベルリン)/〇武藤嘉紀(マインツ)/△乾貴士(エイバル)
 
 最多の9人を呼び寄せたセクションで、ハリルホジッチ監督も「全員を見たうえでスタメンを決めたい」と話す3トップはどうか。
 
 CFは、最有力候補の大迫が故障した右足首に不安を抱える一方、岡崎は開幕2戦連発、杉本はJリーグで得点ランク2位(14得点)と好調をキープしているが、それでも大迫を推したい。この男の前線でのポストプレーは、今やハリルジャパンにとって不可欠な武器であり、大柄な選手が揃うオーストリア相手にも通用するだろう。
 
 経験豊富な岡崎がバックアッパーで、初招集の杉本を三番手と予想するが、このニューカマーについて指揮官は「質が高く、体格もある。珍しいタイプの選手」と語っており、187センチのサイズも魅力。高さが必要な展開になれば、大抜擢もありそう。
 
 久保と本田が鎬を削る右ウイングは、現在のコンディションを考慮すれば、ヘントで着実に出場時間を増やしている久保がスタメンに近い。右ふくらはぎを故障していた本田は、このメンバー発表の2日前に新天地デビューを飾り、初ゴールもゲットしたが、指揮官もその起用には慎重な態度を見せている。快足の浅野はジョーカーとしてスタンバイか。
 
 左ウイングには、個の打開力に優れる3人が揃ったが、前回対戦で1ゴールを決めている原口は、良いイメージを持ってオーストラリア戦に挑めるはず。自らのファウルで同点に追いつかれるPKを与えてしまっているだけに、本人も期するものがあるはずだ。
 
 二番手は武藤と乾が争う構図。ハリルホジッチ監督が「オーストラリアのディフェンスに対して、彼のスピードは面白いかもしれません」と名指しされた武藤に分がありそうだ。
 
※凡例:◎=スタメン候補 ○=準レギュラー △=三番手
 
文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)