23日、新羅時代の古都として知られる韓国南東部、慶州の仏教関係者や文化関連団体が、韓国大統領府にある石仏座像を元あった慶州に戻すよう文在寅大統領などに対し訴え出た。写真は韓国大統領府。

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2017年8月23日、新羅時代の古都として知られる韓国南東部、慶州(キョンジュ)の仏教関係者や文化関連団体が、韓国大統領府にある石仏座像を元あった慶州に戻すよう文在寅(ムン・ジェイン)大統領などに対し訴え出た。韓国・中央日報などが伝えた。

地方分権運動大邱慶北(テグキョンブク)本部は22日声明を出し、「青瓦台(大統領府)の石仏座像を本来あった慶州市に即刻返還すべきだ。文在寅大統領が必要な措置を関連機関に直接指示することを期待する」と表明した。

また翌23日、世界遺産に登録されている慶州・仏国寺の僧侶のほか同地域の9団体の代表らが慶州市役所で会見を開き、「文化財は元来あった場所にある時に、最も光り輝く。青瓦台の石仏を故郷の地に一日も早く戻さなければならない」と主張した。

この仏像は統一新羅時代の8〜9世紀ごろの作とされ、現在、大統領官邸の裏庭に置かれている。もともとは慶州にあったが、日本統治時代の1912年、慶州金融組合の取締役であった小平亮三という人物が当時の朝鮮総督・寺内正毅に贈ったことからソウルに移されたとされている。

中央日報は、「海外に不法に持ち出された文化財を韓国に還収した事例はこれまで数回あったが、国内でむやみに移された文化財に対する返還要請は異例だ」と伝えた。

韓国のネット上では、文化財に関し、とりわけ日本に「不法に持ち出された」とされるものを早く取り戻すべきとの主張がよくみられるが、今回の話題については「文政権に代わったからって、いろいろ言い出す人がいるもんだ」「前政権の時は黙ってたくせに。今になってやりたい放題か」「大統領に望むことが多過ぎ。こんなことまで解決しなきゃいけないとなると、国が大騒ぎになる」など、「国内返還」には否定的な意見が目立つ。

また、「そのままにしておくべき。それに、返せと言うならもともとどこの物なのかはっきりさせるのが先では?」「青瓦台にあるだけで、仏教信者にとってはそれなりに意味がある。すべての文化財は、必ず元の位置に戻すよりどう保存するかが大事」「仏様は時や場所をお選びにならないはず」などもっともな指摘も。

一方で、「こういうことは慶州が要求する前に青瓦台が先に乗り出すべきだった」「すぐに元の場所に戻すべきだ」といった意見に、「それと、日本に略奪された文化財も元の位置に戻してね」と付け加える人もいた。(翻訳・編集/吉金)