日本の二枚看板、本田と香川の処遇は? ハリル監督も状態心配「直接見て決めたい」

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香川、本田ともに故障明けでコンディションに不安あり

 長きに渡って日本代表を支えてきたFW本田圭佑(パチューカ)とMF香川真司(ドルトムント)は、ロシア・ワールドカップ(W杯)行きのチケットが懸かる大一番でどのような役割が与えられるのか。

 W杯アジア最終予選のオーストラリア戦(31日)とサウジアラビア戦(9月5日)に向けたメンバー発表を行ったバヒド・ハリルホジッチ監督が、“二枚看板”について語った。

 本田は6月末でセリエA・ACミランとの契約が満了になり、メキシコ1部のパチューカに移籍するも、右ふくらはぎの違和感と標高2000メートルという高地順化のために開幕から出遅れた。23日の第6節ヴェラクルス戦で途中出場を果たし、デビュー戦でゴールを決めたが、実質的にはこのゲームでしか新シーズンのプレーをしていない。

 一方の香川も、6月のシリア戦で左肩を脱臼し、“凱旋試合”となった7月の浦和レッズ戦も欠場。2カ月間ピッチを離れていた影響で仕上がりの遅れは否めず、現在もレギュラーの座を確保しているとは言えない状況だ。ハリルホジッチ監督は、香川と本田への不安を隠していない。

「真司は心配もあったが、今コンディションを取り戻しているところだ。まだ出場時間は長くないが、今回呼びました。そして、彼の状態を直接見てどうするかを決めたい。本田は真司と少し同じような状況です。心配でしたが、トレーナーが現地に行ってチェックした。直近の試合で、交代で入って点も取った。ただ、たくさんのゲームをプレーしてきているわけではない。真司と同じように、直接見てどのような状態かをチェックして、どんな役割を与えるか考えたい」

修羅場を知る二人に与えられる役割は…

2010年のザックジャパン発足時から、日本代表の攻撃は本田と香川が中心を担ってきた。絶対的な存在ゆえ、所属クラブでの立場がどんな苦しくても常に招集されてきたが、本田が務める右ウイングはFW久保裕也(ヘント)の台頭が著しい。香川の務める攻撃的MFも、スペイン移籍でひと皮むけたMF柴崎岳(ヘタフェ)が虎視眈々とその座を狙っている。現時点での二人は、以前のように何が何でもピッチに立たせなければいけないという存在ではなくなってきているのかもしれない。

 それでも、ハリルホジッチ監督は招集に踏み切った。それは、彼らには経験という“無形の財産”があるということだろう。特に、本田についてハリルホジッチ監督は「存在がチームに大事だ」と表現している。

 ホームで迎えるオーストラリア戦、アウェーのサウジアラビア戦のいずれかに勝利できれば日本代表はワールドカップへの切符を獲得できるが、もし最終節のサウジアラビア戦へ持ち越すことになったら――。指揮官は、そうした“最悪の事態”も想定しているに違いない。

 代表チームの「喜び」と「苦しみ」を味わってきた“二枚看板”は、最終予選の修羅場も経験済みだ。仮にスタメンでなくとも、途中出場でゲームを落ち着かせる、あるいは他の選手たちに安心感を与えることもできるはずだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images