【激安輸入中古車のススメ】第3回 激安中古車を選ぶなら輸入車から選べ!(前編)
最近も10万円でシトロエン C5を購入した筆者が、自身の体験に基づいてお送りする連載企画「激安輸入中古車のススメ」。第3回は、激安輸入車ばかりを乗り継ぐ理由について。

【激安輸入中古車のススメ】第1回 筆者が10万円で買った初代シトロエン C5(前編)
【激安輸入中古車のススメ】第2回 筆者が10万円で買った初代シトロエン C5(後編)

写真は10年オチを5万円で購入した96年型クライスラー・ネオン(しかも稀少なMT車)。チャチな作りの典型的な安普請なアメ車コンパクトカーだったが、意外にもクルマとしては悪くなく、目立ったトラブルなくアシとして活躍。12km/L以上の燃費の良さは意外だった。

筆者のカーライフの中心は

激安輸入中古車にあり!

筆者は免許を取ってからの26年間で26台のクルマを乗り継いで来たが、そのうち新車を買ったのは3台だけ。95年にアルファ ロメオ 155TSを購入して以降、新車というものを買ったことはない。つまり所有車の9割近くが中古車ということになる。

しかも、そのほとんどが1桁万円から高くても30万円台の激安中古車だ。さらに言えば、一般ユーザーが敬遠しがちの輸入中古車が大半を占めている。もちろん、激安中古車故に手厚い保証や万全のアフターサービスなど期待できるはずもない。カネを支払い、一歩店をあとにすれば、あとは故障しようが、道端でエンコしようがすべてが自己責任となる。

他人からは「そんな安い中古車、本当に大丈夫なの?」とよく聞かれるが、これまで煮ても焼いてもどうにも喰えずにホカしたクルマは、クライスラー・ルバロンとシトロエン BXの2台だけだ。あとは車検残、あるいは次のクルマに乗り換えるまでどうにかこうにか動いてくれた。


まったくのハズレだった89年型クライスラー・ルバロン・コンバーチブル。カッコに惚れて30万円で購入したが、作りがひどい安普請なクルマの上、コンディションもサイテーとまるで良いことがなかった。最後は高速走行中にエンジンブローして廃車に。

無理せず買えて気楽に乗れるのが

激安輸入中古車のメリット

なぜ激安輸入車ばかり筆者は乗り継いでいるのか? そのいちばんの理由はバリュー・フォー・マネーの高さだ。

筆者の場合、60年代のアルファロメオだの、クラシック・シトロエンだのと、何かと手がかかる趣味車との常時2台体制をとっている(ときどき趣味車がさらに増えて3台、4台体制になることもあるが......)。四十を超えて月末にやってくる諸々の支払いにいつも窮々としているしがない貧乏ライターの筆者である。普段のアシまではとてもではないが贅沢はできない。そこでアシは必然的に激安中古車となるわけだ。

初期投資が小さければ、今回買ったシトロエン C5のように、これまで興味のなかったクルマにも「ちょっと乗ってみるか」と気軽に選ぶことができるし、トラブルが多いと悪評ふんぷんな車種でも軽い冒険心でチャレンジできる。また、万が一深刻なトラブルが発生したとしても、修理するか、売るか、捨てるか、だましだまし乗るかを財布の中身と相談しながら気楽に決められるのもメリットだ。買った中古車がどうしようもないポンコツで、購入後まもなく失敗に気付いて損切りするにしても、初期投資が少ないので身上を潰すほどの大損を被る心配もない。



30万円で購入直後にお約束のハイドロの液漏れとエンジントラブルでぶっ壊れた89年型シトロエンBX。修理しようと思ったが購入した店の対応がひどく(友達の店だったのに...)、1年も故障したまま放置され、修理不能な状態に陥ったためにやむなく廃車した。

国産中古車は意外に高い!

激安国産中古車に魅力的なクルマはない

クルマに興味がない友人や知人の中には「格安の中古車を買うにしても、アシに使うのならせめて信頼性の高い国産車にしたら?」と、親切心からかアドバイスしてくれる人もいるが、筆者は国産中古車を積極的に選ぼうとは思わない。激安で買ったクルマでも輸入車には国産車にはない個性がある(スポーツカーのような個性的な国産車は中古になってもそれなりのプライスとなる)。まるで格安海外ツアーにでも参加する感覚で、最小の投資でいろいろな国のさまざまなクルマに乗れるのはクルマ好きにとっては楽しいものだ。それにある程度年式が古くなると、国産車よりも輸入車のほうが安く買えるケースが多く、経済利得性の観点からも輸入車には魅力がある。

国産車の場合、どんな不人気車であっても「国産車としての期待値」みたいなものが市場にはある。これはユーザーが「国産車だから信頼性が高く、故障の心配はほとんどないだろう。もし壊れても修理代は安くつくはずだ。だから維持費だってきっと掛からないだろう」と固く信じているためで、中古車相場の価格情報が明記されたシルバーブックやイエローブックを見てもわかる通り、中古市場での値下がりは比較的緩やかとなる。



ネオンを売って20万円で買った88年型キャデラック・クーペデビル。購入直後に水漏れによりラジエターを交換したが、それ以外は問題なし。ロクにメンテもしなかったがまったく問題なく走ってくれた。

国産車信仰を捨てることで

お買い得な激安中古車が見つかる

いっぽう輸入車の場合、新車はそれなりに引き合いがあっても中古車を購入しようとするユーザーはそう多くはいない。人気のある高年式のドイツ車はともかく、低年式のイタリア車やフランス車、イギリス車、スウェーデン車、アメリカ車などの買い手は少ない。もろもろのリスクを承知であえてこうした車種にチャレンジするのはクルマにこだわりを持つマニアだけだ。すなわち、供給に対して需要が少ないのである。となると、価格メカニズムによって必然的にこうした車種の中古車価格はリーズナブルなものに落ちつく。

こうしたクルマはメンテナンスに専門知識を要することが珍しくないし、需要が少ないため在庫が長期化するリスクを常に孕んでいる。そこで一般の中古車店ではこうした車種を積極的に販売しようとはしない。仮に下取りなどで入庫した場合は、程度が悪ければそのまま解体屋送りとし、潰すには惜しいコンディションの個体でも安値でさっさと売り払おうと考えるようになる。

中にはこうした車種に惚れ抜いて専門的に取り扱うマニアックな中古車店もある。当然、こうした店に並ぶ輸入中古車は良いコンディションの個体を厳選して仕入れが行われていることが多く、専門のメカニックがしっかりと整備してから販売することから一般の中古車店よりも販売価格が高めに設定されることが多い。だが、少数のマニア相手の商売ということもあって、販売見込みが外れて長期在庫化してしまうこともある。土地に余裕のある地方の販売店なら売れるまで在庫しておくという方法も採れるが、都市部の店では駐車場代もバカにならず、そうした贅沢は許されない。そうなるとやはり大幅にプライスダウンして販売することになるのだ。

だから、国産車と新車価格で倍ほどの開きがある輸入車でも、中古車になってある程度時間が経つと価格が逆転してむしろ安く買えるようになることは珍しいことではないし、ときには市場価格よりもぐっと安い番狂わせ的なお買い得車や、掘り出し物に巡り会うチャンスもある。

(明日掲載予定の第3回へ続く!)


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【激安輸入中古車のススメ】第1回 筆者が10万円で買った初代シトロエン C5(前編)
【激安輸入中古車のススメ】第2回 筆者が10万円で買った初代シトロエン C5(後編)



(左)現在、筆者が所有する趣味車の67年型アルファ ロメオ 1300GTジュニア。コンディションは悪くないのだが、いかんせん半世紀前のクルマだけにいろいろと手直しが必要なのだが、1度にすべてを修理する予算がないので少しずつ手を入れて行っている。

(右)ジュリアクーペの前に趣味車として所有していた83年型シトロエン GSA。4年半ほど所有していた。トラブルが多いと悪名高いクラシック・シトロエンだが、筆者の購入した車両はアタリで、1度も大きなトラブルを起こすことなく動いてくれた。