岩田剛典とクリストファー・ノーラン監督

 EXILE、三代目J Soul Brothersの岩田剛典(28)が24日、米映画『ダンケルク』(日本9月9日公開)のクリストファー・ノーラン監督の来日記者会見にゲストとして登場した。「自分は表現者である前に、1人のノーランファンでしかない」と語るほどの監督の大ファンである岩田は、熱っぽく監督に質問を投げかけた。会見終盤に監督からサイン入りの脚本を貰うと「むちゃくちゃ嬉しいです。童心に返りました」とコメントし、感激した様子を見せた。

 この映画は『ダークナイト』、『インセプション』、『インターステラー』などの作品で知られるノーラン監督が初めて実話に挑んだ作品。第2次世界大戦中、ドイツ軍に攻め込まれた、仏・ダンケルクで実際におこなわれた史上最大の救出作戦を描いている。音楽を務めているのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』でもお馴染みのハンス・ジマー。ノーラン監督とのタッグを何度も務めており、海外メディアでは「音楽も含めてアカデミー賞を総なめにするだろう」という声も挙がっている。

 7年ぶりの来日となるノーラン監督は、登場すると「日本に来るのは毎回楽しくて、1番好きな国の1つです」と、日本好きを公言。その後、記者陣の質問に対して丁寧に答えていった。映画について「史実に基づいた映画なので、最初は徹底的に調べました」。歴史アドバイザーと話しあいながら、存命中の帰還兵にもインタビューをおこなったという。

 岩田は「自分は表現者である前に、1人のノーランファンでしかないので、光栄です」とまず話してから、当作品について「作品を見たときに良い意味でノーラン作品とテイストが違うと思いました。始まって5秒くらいで戦場に連れていかれる。VRの様な体験」と熱く感想を伝えた。

 また、岩田が「頭の中を覗いてみたい人ナンバーワン」とノーラン監督に伝えると、監督は「ありがとうございます。監督業の面白いところは1つの事に秀でなくても良いと言う事です。彼らの視点を束ねて、意見に一貫性を持たせる。カメラに例えればレンズ、オーケストラで言えば指揮者に似ています。それが出来れば洗練された映画になると思います」と自身の監督論を語った。

 さらに、岩田が「作品作りで1番大切にしているポイントは何ですか?」と質問すると、監督は「段階を経て、映画は完成に漕ぎ着けます。撮影が終わると編集がありますね。どれも楽しい作業です。色々ありますけど、1番好きなのは音のミキシングの時。画としては完成していても、何千という音を繋ぎ会わせて、より良い作品になる事を考えるのは充実感があります」と親身に答えていた。

憧れのクリストファー・ノーラン監督と対面を果たした、岩田剛典

 そして、ノーラン監督から岩田に映画のサイン入りの脚本が贈られた。このサプライズに岩田は「むちゃくちゃ嬉しいです。童心に返りました」と嬉しそうな表情を見せた。

 作品についてノーラン監督は様々な質問に答えた。残虐なシーンが少ない理由について、この作品が通常の戦争とは違う、撤退作戦である事を示してから「ホラーというよりも、サスペンス・スリラーを描くんだという気持ちで書きました。目を背けたくなるどころか、釘付けになる様なアプローチをとっています。この作品はサバイバルの話であり、じりじりと忍び寄る敵の存在感、時間との競争であることを感じさせる様なものにしたんです」と解説。

 米国の巨匠であるジョージ・ルーカス監督や、スティーヴン・スピルバーグ監督からの影響については「『スターウォーズ』を7歳の時に観たのは決定的な出来事だった」と語り、「『プライベートライアン(1998年)』の35ミリプリントを本人から借りて、スタッフのために上映しました。この作品と競争するわけにはいかないという認識に至りました」とスピルバーグ監督が同じく第2次世界大戦の作戦を描いた映画『プライベートライアン』に最大の賛辞を送った。

 昨今の世界情勢について質問されると「世の中の事から影響を受けずにはいられないですが、モチーフを描き、説教するという気はありません。『ダンケルク』が今日メッセージを発するとしたら、『個人の業績を称賛しがちの世の中ですが、皆協力し合って出来る事の偉大さ』でしょうか」とした。【取材・撮影=小池直也】