13日午前8時30分ごろ、崩れた裏山に押しつぶされた民家の中から小学校教師の王鋒(ワン・フォン)さんの遺体が発見された。王さんは貴州省の従江県翠里郷高武村小学校の教員だった。現地では同日早朝、大雨に伴う土砂災害の危険が高まり、王さんは住人の避難誘導やけが人の搬出に参加していた。その中に、知的障害者の住む家があり、避難したかどうか確認するために駆け付けたところで山崩れに巻き込まれた。23日付で貴州都市報が伝えた。

現地は険しい山に囲まれた地形で、12日から強い雨が降っていた。村民委員会の戴宗(ダイ・ゾン)主任(村長)は土砂災害が心配で一晩眠れず、13日には夜が明けきらないうちに裏山に登って確認すると、危険な状況だった。雨はますます強まっていた。

戴村長はすぐに大声で、「雨が強くなっている。危険だ。みんな、すぐに起きろ!安全な場所に移れ!。荷物は持つな、急げ!」などと住民に避難を呼び掛けた。声に気付いた王さんは飛び起きた。すぐに家を出て、戴村長に協力して近隣住民に避難を呼び掛けた。午前7時ごろ、住民の避難は終了したかに見えた。

ところが谷を挟んだ反対側から大声が上がった。「朱仲瓊(ジュウ・ジョンチオン)さんの家の裏が崩れて、家が倒れた。けが人だ。助けをよこしてくれ!」との叫び声だった。戴村長や王さんら数人が駆け付けた。王さんはけがをした朱さんを背負い、駆け付けた数人と力を合わせて、安全な場所に移動した。

その時、王さんは谷の反対側に知的障害を持つ人の住む家があることを思い出した。避難していない可能性があると思い、周囲に「あなた方はここで避難者の確認をしていてくれ。私は見に行く」と言った。周りの人々は「もう、危なすぎる」と止めた。しかし王先生は瞬く間に走り去った。

知的障害者の住む家に王さんが入っていくのが見えたその直後、背後にある山が崩れ、大量の土砂が家を襲った。家はひとたまりもなく崩れ、土砂に覆われた。

まだ危険な状況が続いていることは、誰の目にも明らかだった。しかし王さんを放置するわけにはいかない。人々は王さんを救助しようと倒壊した家に駆け付けた。しかし午前8時30分ごろ、王さんは倒れた柱に挟まれて死亡していることが確認された。

中国では秋に新学期が始まる。記事は、「もう何日かしたら学校が始まる。しかし、始業式に王さんが出席することはできない。児童らは教壇に登る王先生の姿を見ることができない」と、その死を悼んだ。(翻訳・編集/如月隼人)