中年の人はもっと速く歩いて=英公衆衛生局

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ニック・トリグル健康担当編集委員

イングランド公衆衛生局は、中年期の人は健康維持のためにもっと速いスピードで歩くよう呼びかけている。人は40歳を過ぎると運動量が減り始めるため、40歳から60歳の人には、速く歩く散歩を習慣にすると良いという。

公衆衛生局は、1日わずか10分間、速く歩くだけで早期死亡の危険が15%少なくなり、大きな成果につながると促している。

一方で、実際には40〜60歳でひと月に一度も速い速度で10分間歩いていない人は、全体の4割に上ると推計している。

改善のため、公衆生成局は「Active10」という無料アプリの提供を開始した。これは、個人がどの程度、速い速度で歩いているかをモニターするもので、どうすればそれが習慣化できるかのアドバイスもする。

公衆衛生局のジェニー・ハリース医師は、「生活の中で優先順位の高い事柄を何とかこなしていると、運動はつい後回しになりがち。それは私自身が承知しています」と述べながら、「けれども買い物をするにしても、車で行くのではなく歩くとか、毎日の昼休みにスピードを上げて10分間散歩をするようにするとか、そういう工夫をすれば、健康で過ごせる時間が何年も伸びます」とアドバイスする。

公衆衛生局は一般開業医に対しても、患者にもっと速く歩くよう勧めるといいと提言している。速く歩くとは、少なくとも時速4.8キロで、呼吸のペースが上がり、心拍数も上がるような歩き方のことだ。

王立一般開業医学会のゾーイー・ウィリアムズ医師は、「一般開業医は全員、速く歩くことのメリットを患者に伝え、Active10アプリを推薦するべきです」と話す。

公衆衛生局は、運動量が一気に少なくなる中年期の人を特に重視している。

健康のためには週に150分は運動することが望ましいが、40歳から60歳の人の半数近くがその運動量に到達せず、5人に一人は運動量が週30分未満にとどまるという。

毎日10分、速く歩いただけでは推奨される運動量には届かないものの、高血圧や糖尿病、体重の問題、うつや不安、腰痛など筋肉・骨格の問題の改善につながると公衆衛生局は指摘する。

公衆衛生局はさらに、この年齢層に速い散歩を勧めることで、子育て中の人たちにも好影響が波及するのを期待している。

ウォーキングで人生が変わった

モーリーン・エジモフォーさん(44)は3年前、健康改善のために日常的にウォーキングをするようになった。

当時の体重は114キロ。自分を変えたかった。歩き始めて7カ月もしないうちに、約30キロの減量に成功していた。

英南東部ケント州の地元でウォーキング・グループに参加し、あまりに気に入ったので、やがては週末にほかの人たちを色々な場所に連れていくウォーキング・リーダーにまでなった。

「Active10」アプリは「本当に便利」だと評価し、忙しい1日の合間に「一気に」すばやく歩く時間を作るために大いに役立つからと、ほかの人にも勧めている。

60歳になったばかりのリアム・クィグリーさんも、ウォーキングのファンだ。

「両親にはしょっちゅう、散歩に連れ出されていた。残念ながら年をとるにつれて、ぜいたくを覚えてしまい、たくさん酒を飲むようになり、体に良くないものも食べるようになった。おかげで、かなり体が重くなってしまった。でも歩くのは好きなので、自分のことは自分でなんとかしようと決心した」

英北部マンチェスターに近いストックポートのウォーキング・グループに参加し、今では10マイル(約16キロ)のウォーキングにも出かける。

「参加するようになってから、13キロ近くも体重が減った。効果は抜群だ」

(英語記事 Middle-aged told to walk faster