メキシコ・メキシコ市郊外のミルパアルタで、サボテンの不要な部分を処理している有機廃棄物処理施設(2017年8月3日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】メキシコを象徴する植物と言えば、国旗の中央にも描かれているウチワサボテンだ。古代アステカ(Aztec)文明では聖なる植物とみなされ、現代でも食用、飲用から薬用、シャンプーなど、広く利用されている。そして最近、科学者たちは明るい緑色をしたこのサボテンの新しい活用法を思い付いた。再生可能エネルギー源としての利用だ。

 ウチワサボテンの表皮は厚い上にとげだらけで、これまでは常に廃棄物として扱われてきた。だが研究者たちは、サボテンの皮など不用部分から、最終的には電気を生み出すバイオガスを取り出す装置を開発。メキシコ市(Mexico City)郊外のミルパアルタ(Milpa Alta)にある広大なサボテン市場で5月に試験事業が開始された。

 ミルパアルタ一帯では年間20万トンのウチワサボテンが生産されているが、このうち最大10トン分は廃棄物となり、毎日、市場の床に捨て置かれている。これを利用して、廃棄物をエネルギーに変えるバイオガス発生装置を開発することを思い付いたのは地元の環境ベンチャー企業「スエマ(Suema)」だ。

 スエマは、バイオガス生成施設を廃棄物の発生源、すなわちサボテン市場に建設することにした。市場では毎朝、前の日に残されたサボテンの廃棄物の清掃から一日がスタートする。

 試験事業の費用は84万ドル(約9200万円)で、その大半はメキシコ市政府が出資した。これまでのところサボテン市場における事業の評判は良いようだ。

 スエマのバイオガス生成施設は最終的には低エネルギー電球約9600個を点灯させるのに十分な、毎時175キロワットの発電ができるようになる。

 11月ごろにフル稼働する予定で、そうなれば1日3〜5トンの廃棄物の処理が可能になり、170立法メートル相当のバイオガスと、1トン余りの堆肥が生成される見込みだ。
【翻訳編集】AFPBB News