日本の夏は湿気が肌にまとわりつくような感じで、じめじめした暑さが特長ですが、国が変われば気候も変わるもの。
例えば8月のイングランドでは、平均20度の気温が続くこともあり、同じ夏といえども、日本に比べて格段に過ごしやすいといわれています。通年にわたって比較的、運動がしやすい気候のイングランドで、夏の季節に生まれたといわれているスポーツが「ラグビー」です。日本では冬のスポーツという印象が強いラグビーですが、何と意外にも「ラグビーの日」という記念日が8月24日に制定されているのです。今回は、そんなラグビーの意外な由来に迫ります。

実は、ラグビーには不思議がたくさんあるのです


ラグビーは反則から生まれた!?

8月24日は「ラグビーの日」なのですが、今から194年前の1823年の8月24日にラグビーが誕生したとされています。
そして、ラグビーが誕生したのはイングランド。イングランドはフットボール生誕の地でもあり、スポーツの歴史を語るうえで欠かせない聖地。そんなイングランドで生まれたラグビーは、フットボールから派生したのでは……という説があります。
その説のひとつには……
── とあるパブリックスクール(13〜18歳を教育するエリート高)で、フットボールの試合が行われていました。その試合中に興奮したひとりの生徒が驚くべき行動に出ます……。なんと、手でボールを抱え、相手ゴールへ突進してしまったのです ──。
もちろん、その試合はフットボールですから、手を使うのはNG。しかし、ボールを抱えてゴールへ飛び込んでいく様子は、まさにラグビーの「トライ」のような状況だったのでしょう。この反則行為が派生して「ラグビー」が誕生したといわれています。ちなみに「ラグビー」という名称は、このパブリックスクールが「ラグビー校」という名前だったことからきているといわれています。
あくまで、このラグビー誕生のエピソードは「噂」の範疇ではありますが、意外なことがきっかけで生まれたスポーツも数多くあることから、ラグビーもこのようなエピソードが、まことしやかに今に伝えられているのでしょうね。


「ゴール」ではなく、「トライ」と呼ばれるワケ

ラグビーがラグビー校で生まれたという逸話に加え、ラグビーの原型は地域のお祭りだったともいわれています。それは、試合開催時になると村人が一斉に集まり、数百人 vs. 数百人で行っていたということに所以するそう。この規模ともなりば、もうお祭りですね。
さらには、反則らしい反則もなかったとのことで、試合の決着がつくまで数日かかることもあったというから驚きです。そんななか、村人たちは楽しい祭りの時間を長引かせるため、おもしろいルールをつくりました。それは、なるべく点が決まりにくいルールにすることで、決着がつかないようにするというものだったのです。
それが、現在のルールの「トライ」につながっているといわれているのです。
現代のラグビーでは、「トライ」を決めたら5点、トライの後の「コンバージョンゴール」を決めたら、さらに2点獲得できます。ですが、19世紀ではトライは0点、トライ後のコンバージョンゴールではたったの1点という、なんとも厳しいルールでした。「トライ」はまさにその名のとおり、ゴールを決めるための「挑戦権」にすぎなかったのです。現代では「トライ」が大きな得点になるので、なぜ「ゴール」と呼ばないのだろうと思われるでしょうが、歴史をひもとくと、そんな理由があったのですね。

もともと「トライ」はゴールするための挑戦権


ラグビーボールは、なぜ楕円形?

ラグビーの特徴は、ボールを持ったまま長い距離を走ること。そのため、ボールが重いと当然体力を消耗します。そうした点から、当初使われていたラグビーボールは重量が重く、走りにくいという声が選手から上がったことによって、より走りやすいように改良が重ねられたのです。
ボールの軽量化のため注目された素材が、なんと「豚の膀胱」! まさか!ですよね。膀胱をラグビーボールとして使ってみようとは、よく思いついたものです。
この豚の膀胱に空気を入れて膨らませてみると、自然と形は楕円形に変化……。さらに、膨らませた豚の膀胱の上に牛の革を貼り合わせて強度をもたせたものが、改良化されたラグビーボールだったというのです。豚と牛のコラボですね(笑)。
―― 2019年には、アジアで初となるラグビーワールドカップが日本で開催されます。現在のラグビーボールは重さが410〜460gで、外周:縦74〜77cm/横:58〜62cmといった形状ですが、メーカーによって形状や使用感にわりと差があるそうです。ルールが難しいといわれるラグビーですが、由来を知るとおもしろさも増すこと間違いなしですよ!

試行錯誤の結果、楕円形に