賃貸物件の「敷金・礼金」「保証金」の違いって?

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部屋を借りる時の初期費用として「敷金・礼金」という言葉を聞いたことがあるだろう。地域によっては「保証金」という言葉が使われることもある。「敷金・礼金」と「保証金」、それぞれどのような意味なのだろうか。意味や制度の違いについて解説しよう。

返ってくる保証金と返ってこない保証金、違いについて

保証金は契約時に一旦貸主に支払うお金だが、退去するときには保証金の中からいくらか返却されることになっている。どんなお金が返ってきてどんなお金は返ってこないのだろうか。

保証金の意味

保証金は借主が住んでいる間に何かあったときのために貸主に担保として預けておくお金のこと。退去する際、借主は部屋を原状回復する義務がある。

通常の使用による汚れや経年劣化による傷みについては借主の責任はないが、故意や不注意によって室内を壊したり汚したりしたときには原状回復をしなければならない。そのための修繕費やルームクリーニング代を保証金という形で預けておくわけだ。

また、家賃を滞納していた場合にも保証金から補てんされる。一方、原状回復のための費用があまりかからない場合や家賃滞納がなかった場合は保証金の一部が返ってくる。

「敷金」と「保証金」の違い

「敷金」と「保証金」は、地域の慣習によって違う呼び方をしているだけで、意味合いはほぼ同じだと捉えることができる。一般的に関東地方では「敷金」、関西地方では「保証金」と呼ばれている。

民法上では「敷金」や「保証金」についてはっきりとした定義がなかったが、「民法の一部を改正する法律案」が平成29年5月26日に可決成立し、交付された法律の中で、敷金の定義や敷金の返還について明文化された。以下のように説明されている。

第四款「敷金」の第六百二十二条の二
賃貸人は、敷金(いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭をいう。以下この条において同じ。)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。

つまり、「敷金」とは借主が支払うべき金銭を負担する目的で、あらかじめ貸主に預けておくお金ということだ。

また「いかなる名目によるかを問わず」とあるため、関西地方で「保証金」と呼ばれていても、同様の目的で貸主に預けるなら民法上は「敷金」という扱いになる。

このように「敷金」と「保証金」の目的はほぼ同じだが、返還方法には違いがある。
敷金の場合は預かった金額から未払いの家賃、原状回復の費用を差し引いて残額を返還するのに対し、保証金の場合は「敷引き」という方法で清算する。
保証金の内、家賃の何か月分あるいは何パーセントなどあらかじめ定めた金額を無条件で差し引くというものだ。

敷金について

敷金は、貸主にとってはリスクの回避につながる。万一部屋をひどい状態にされてしまった場合、敷金を預かっていれば、その費用を賄うことができるからだ。
敷金の意味について、またその由来についても解説しておこう。

敷金の意味

賃貸契約をするときに貸主に担保として預けておく費用のこと。退去時に家賃の未払いがあれば、敷金から差し引かれる。

また、借主の故意や不注意によって修繕やルームクリーニングが必要になった場合、原状回復のための費用として使用される。実際にかかった費用との差額は借主に返還することが定められている。

ただし、契約によっては借主に原状回復の義務が生じない通常使用でも、退去時にルームクリーニング代を請求されることがある。

敷引きについて

「敷金」と似た言葉として「敷引き」という言葉がある。「敷金」と「保証金」の違いの項で少し触れたが、敷引きとは、関西地方などで保証金を支払う賃貸契約する際、借主に返還する必要のない金額をあらかじめ定める契約のこと。

契約時に「敷金2カ月」とあれば、退去時にその金額からいくらかは返還されることを期待できるが、「敷引き2カ月」とあれば、退去時にはその金額の内1円も返還されないことになる。部屋をいくらきれいに使っていても、無条件で引かれてしまうわけだ。似た言葉だが混同しないようにしたい。

敷金の語源は江戸時代?

諸説あるが、敷金の正確な由来については不明だが、「江戸時代の女性の持参金」からきているという説がある。江戸時代には、結婚する際、妻側の家族が持参金を花嫁に持たせるという習慣があり、このお金を「敷金」と呼んでいたようだ。
そして、離婚することになった場合にはその敷金が返還されていた。現代の賃貸契約と類似しているのは興味深い点だ。

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関西エリアには礼金がない

関東エリアでは、「敷金」、「礼金」が一般的だが、関西エリアでは「保証金」だけを支払い「礼金」がない。そもそも礼金とはどのようなものなのだろうか。また関西地方で礼金がない理由についても気になるところだ。

礼金の意味

礼金とは、家を貸してくれたことに対する感謝の気持ちとして貸主に支払う謝礼のことだ。礼金は敷金や保証金と違って返還されることはない。

礼金は、戦後、住む場所があまりなかった時代に、住む場所を提供してもらえたことに対するお礼として支払っていたと言われている。あるいは、地方から上京する子どもの面倒を見てもらいたいという思いで、上京する人の親や親族が家主に支払ったお金だとも言われている。

いずれにしても、礼金は慣習として根付いているもので、法律で定義が定められているわけではない。一般的に礼金は家賃の1〜2か月分程度に設定されることが多いが、近年「礼金ゼロ」という物件も増えてきた。初期費用を抑えたい人にとってはありがたい話だ。

関西で礼金がない理由

敷金は原則として借主に返還必要があるお金だが、礼金は返還する必要がない。関西では敷金の代わりに保証金という形で支払うが、返還するお金と返還しないお金が保証金の中に含まれている。
つまり、保証金の中に「礼金」に相当する部分が含まれていると見なすことができる。

例えば、敷引き2カ月分として契約した場合、2か月分は借主に返還する必要がない。
仮に退去時に修繕費などが家賃1か月分程度の金額で済んだとすると、残りの1か月分は貸主に渡ることになる。
この金額が「礼金」の代わりと言えるわけだ。

また、敷引きの金額は居住年数によって段階的に設定されることもあり、長期間住むほど返還される金額が少なくなるケースもある。
関西地方で賃貸契約をする際には、保証金の金額だけでなく敷引きの金額が不当に高く設定されていないかにも注意することが必要だ。

関東地方から関西地方、あるいは関西地方から関東地方へと、地域をまたいで引っ越しする場合は、制度の違いに戸惑うかもしれない。
「敷金・礼金」と「保証金・敷引き」という制度の違いを理解しておくことは大切だ。賃貸物件を借りる時には、なるべく金銭的な負担を軽くしたいものだ。

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