「奇想天外」とは「全く思いもよらないような奇抜なこと」って意味なんだけど、そんな名前の植物が生きてました

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ナミビアのレンタカー店に振り回され、はや3日。

車を借りられる目処が立たないので、周遊は諦めてバスで行ける街だけに狙いを定めることにした。首都ウィントフックからミニバンで約3時間、第2の都市スワコップムントという港街だ。

そこにはナミブ砂漠特有の赤褐色の砂丘はないが、象牙色の砂丘「Dune7」があるという。「この際、赤くなくてもいいから、とにかくナミブ砂漠を踏みたい…!」。そんな思いで出発した。

スワコップムントに到着すると、街中には人が歩いておらずくガラーンとしていて、なんだか人のいない世界に迷い込んでしまったような気分だった。「ナミブ」はナミビアに住むサン民族の言葉で「何もない」という意味だそうだけど、砂漠に行かずとも、その玄関口である街の第一印象がまさにそんな感じ。

しかし洋風の建物は美しく、海岸沿いに出ると、思わず「ここがアフリカ!?」と叫んでしまいそうな、ある意味、風光明媚な景色。大西洋に面して美しく整えられた庭園と、人の気配のない別荘のような高級住宅がズラリ。

実はナミビアはかつてドイツの植民地「ドイツ領南西アフリカ」でした。そしてこの街は主要港として発展したため、今もドイツ様式の建築や面影が残っていて、避暑地としても人気のナミビア屈指のビーチリゾートなんです。

道理でドイツ料理のレストランがあったりドイツビールが売っていたり、ドイツ人の観光客やドイツ語で話す人を多く見かけるわけだ。

ちなみにアンジェリーナ・ジョリーがブラピとの初の実子を出産をするのに選んだのもこの街だそうで、そう聞くとなんだかセレブ・リゾート感が増すよね。

宿で同部屋になった南アフリカ出身のドベゴちゃんも、腕にアップルウォッチを付けて、ネイルはきれいに整え、お買い物三昧(ざんまい)と、安宿とはいえ宿泊客も若干優雅な感じがあった。

夜になると、「え! こんなところに日本人が!」と驚くくらい、これまでなかなか出会わなかった日本人がゾロゾロと宿に帰宅してきた。結婚記念日に優雅に旅する夫婦、ナミビア周遊に来たグループ、世界一周中の旅人など後日も含め15人ほど会っただろうか。

その中でレンタカーのある人にちょっと便乗させてもらい、翌朝「ムーンランドスケープ(月面世界)」に連れて行ってもらった。ムーンランドスケープとは、その名の通り、月面のような景色をした場所。「いつかは月を旅したいと思っていたけど、ついに来ることができたか…」なんつって。

そういえばウィントフックにも、約4億5千万年前に落ちてきたという隕石が展示されていたけど、ナミビアってSF感が強いな。ナミビアは地球上で一番、隕石が落ちている場所なんだとか。

バーチャル宇宙旅行を噛みしめていると、一緒に来ていたヒトシ君(仮名)が叫んだ。

「ドローンで撮影したかったなー!」

彼は会社を2週間ほど休み、ドローンを持って旅に出たが、エチオピアの空港で没収をくらったそう。“ドローンの旅”は最近の旅人の憧れでもあるが、規制が厳しくなり国によっては持ちこめない場合もあるので気を付けたい。

そしてお次は「ウェルウィッチア(和名:奇想天外)」を発見。

約1億年前に誕生したアンゴラとナミブ砂漠にのみ自生する巨大植物で1500年ほど生きるという。その大きさとちょっとグロテスクな形から「なんだか人でも食べて生きてるんじゃないかしら」と思えてきた。

「ナミビアは若者だらけで平均寿命は55歳」なんて話を聞いたけど、この街にも人があんまりいないし、やっぱりコレに食われたんじゃ…。

そして夕方は、宿のオーナーが連れて行ってくれる「Dune7砂漠サンセットツアー」に参加することに。

「昼間は暑くてヤケドするから、夕方にサンセットを見に行くんだよ〜」とのんびりとした雰囲気のオーナー。

私はサハラ砂漠を思い出し不安がよぎった。あの時は砂漠を猛ダッシュしたけど、サンセットまでに砂漠を登り切れずに、太陽の沈む瞬間を見逃したな…と。

「お願い! 足が短いので少し早めに出発してください!」

私はそう頼んだが、あまり急ぐ気配のないまま車で30分。砂丘の麓に着くと、見上げる砂壁は相変わらずの急勾配で私の前に立ちはだかっている。

今回はサンセットを見ながらシャンパンを乾杯しようという企画なので、それぞれがクーラーボックスやグラスを持っての砂漠登りだ。砂漠の砂に足元をすくわれて、西洋人の男子ですらかなりキツそうだ。ヒトシ君に至っては、もう足が動かないといった感じだろうか、遅れを取っている。

「まるで蟻地獄! 明日、絶対、筋肉痛!」

そう思いながらも、サンセットを見届ける微(かす)かな希望を胸に必死で砂を踏みしめて登る、私。

そして、ついに頂上到着! 夕日の頭スレスレ! ギリギリセーフ? いや、これアウト? よくわからないけど、オーナーも焦ったのか、忙(せわ)しなくシャンパンの栓を「パーン」と抜いた!

砂だらけのシャンパンを飲みながら、「約80千万年前に生まれた世界最古の砂漠」の砂の色が変わっていく様子を見届けた。

交通事故率世界一とも言われていたナミビアも無事に過ごすことができ、満足感に浸っていた、私。

まさかこの後、死の恐怖を体験することになるとも知らずに、ナミビアの夜に酔いしれていた…。

【This week’s BLUE】

ナミビアで見かけたヒッチハイク禁止の標識。「いいね」禁止ではありません。

●旅人マリーシャ

平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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日時:9月1日(金)19時より

場所:荏原中延駅 徒歩4分「隣町珈琲(トナリマチカフェ)」

料金:2,000円(1ドリンク付き)。

予約をご希望の方は、隣町珈琲にお電話(03−6451−3943)にてお申込みください