「Thinkstock」より

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 18日、「一般社団法人 日本雑誌協会」が2017年4〜6月における、各雑誌の印刷部数を公開した。これは「日本雑誌協会」に加盟する出版社各誌の3カ月間にわたる平均印刷部数を、日本雑誌協会・日本ABC協会・日本雑誌広告協会で統一した「雑誌ジャンル・カテゴリ区分」に分類し、カテゴリ別に「印刷証明付き部数」を年4回発表するというもの。

 返本率が併記されているわけではなく、電子書籍などの数字も出ていないので、この印刷部数が正確な売上げや読者数というわけではないが、それでも「現在、どの雑誌がよく読まれているか?」を探るための重要な指針だ。総合月刊誌からマンガ誌、各専門誌、女性誌など全49にもジャンル・カテゴリは細かく区分されているので、「ビジネスジャーナル」読者が興味を示しそうなカテゴリの数字をピックアップしてみたい。

 まずは「週刊誌」カテゴリからトップ5を紹介。なお()内の数字は「日本雑誌協会」公式サイトの「印刷部数公表」にて発表されているなかで、一番古い2008年4〜6月のデータ。

週刊現代  講談社 47万4,167(49万4,333)
週刊ポスト  小学館 37万4,750(51万9,000)
週刊新潮  新潮社 43万7,029(71万9,213)
週刊文春  文藝春秋 65万9,000(76万6,667)
FRIDAY      講談社 25万4,167(38万0,000)

 トップ3は「週刊文春」、「週刊現代」、「週刊新潮」。「週刊文春」は08年の数字と比べると約10万部も数字も落としているが、他誌と比べれば下降ペースはまだ緩やかなほうだろう。いわゆる「文春砲」が炸裂しまくった16年には、1〜3月期の64万6,692から4〜6月期は65万9,208、7〜9月期は66万1,000、10〜12月期は66万6,308とわずかながら数字をアップさせてきたが、その勢いが次第に陰り始めてきているようだ。あれだけ世間を騒がせても、増えた部数が2万部程度というのもそれはそれで衝撃的だが、今後はさらに強烈で新たな砲弾で巻き返すことができるのだろうか。

 08年当時はこのリストに名を連ねていたものの、その後休刊・廃刊となってしまった雑誌もあるので正確な比較とはいえないが、生き残っている雑誌のなかで、単純に下げ幅だけを見るともっとも数字が大きいのは約30万部近くも数字を落とした「週刊新潮」。その「新潮」を上回りNo.2についたのが「週刊現代」だ。出版不況がさけばれているこのご時勢で、08年と比べて下落幅はたった2万部、5%程度にとどめているのは、素直にすごい。

 続いては「ビジネス・マネー誌」の数字を取り上げてみたい。

BIG tomorrow           青春出版社 8万2,333(13万7,667)
週刊ダイヤモンド          ダイヤモンド社 12万9,583(16万5,250)
週刊東洋経済           東洋経済新報社 9万2,500(12万9,208)
THE21               PHP研究所 5万9,300(14万2,667)
PRESIDENT           プレジデント社 32万5,233(28万8,267)

「PRESIDENT」は15年1〜3月期に366,167を記録したのをピークに、少しずつ数字を下げているが、それでも今回紹介した2カテゴリの雑誌で唯一08年の数字を上回っており、ビジネス誌断トツトップの座はしばらく揺らぎそうにない。

「PRESIDENT」とともに、かつては「4大ビジネス誌」として括られていた「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」は、多少の上下はあるもが、ここ10年は基本的には緩やかに下降し続けており、「PRESIDENT」との印刷部数の差は開く一方(なお「4大ビジネス誌」のもう1冊「週刊エコノミスト」は、「日本雑誌協会」サイト内で数字を公表していない。公式サイトなどでは発行部数8万0,000部としているが、「印刷証明付き」の数字ではない模様)。

 あくまで印刷部数であって売上げではなく、さらに電子書籍やネットでの展開を含んだ数字ではない。デジタルに力を注ぎ、新たな市場を開拓している出版社もあるだろうが、紙媒体はやはり全体的に苦戦しているといえそう。さまざまなビジネスの可能性を語るビジネス誌が、「PRESIDENT」をのぞけば印刷部数を伸ばすどころか維持もできないところに、出版不況の闇の深さを感じないでもないが、ともあれ業界に活気を与えるようなヒット作や施策に注目しても面白いかもしれない。
(文=編集部)