南アフリカ・クラークスドープにあるジョン・ヒューム氏のサイ農場で、角を切り取られた後、麻酔から目覚めるサイ(2016年2月3日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】南アフリカで23日、絶滅危惧種のサイの角の初のオンライン競売が始まった。動物愛護団体などは、サイの角の国内販売の合法化は密猟を助長すると抗議している。

 3日間にわたるオークションは、直前に差し止め請求が出されたため2日遅れての開幕となった。主催したのは世界最大のサイ飼育農場を所有するジョン・ヒューム(John Hume)氏で、サイの角264本、重さ500キロ分を出品する。

 ヒューム氏はヨハネスブルク(Johannesburg)北部の農場でサイ1500頭を飼育し、サイの角6トンを保有する。サイに麻酔をかけてから角を切り落とす採取法を取っており、人道的かつ密猟の防止につながるとヒューム氏は説明している。

 しかし、動物愛護活動家らはオークションが密輸を助長し、40年前から続いてきたサイの角の国際取引禁止の取り組みを台無しにしかねないとして反対している。

 野生動物取引の監視団体「トラフィック(TRAFFIC)」の専門家ジュリアン・ラーデメイヤー(Julian Rademeyer)氏は、「サイの角が(南アフリカ)国内で販売されれば、出所を隠して闇市場に流れ、外国に密輸される恐れが高い」と指摘。政府機関に国内での流通を規制する能力はなく、警察が密猟や密輸に対処する能力も限界に達しているとAFPに語った。

 一方のサイ飼育業者らは、各個体の角にはマイクロチップを埋め込んであり、DNAで出所が追跡できるため「ブラッドホーン(血の角)」と呼ばれる密猟されたサイの角が市場に流通することはないと主張。「開かれた取引」こそが密猟者によるサイの虐殺を防ぐ唯一の方法だと述べている。

 南アフリカには世界の80%に相当する2万頭のサイが生息するが、近年は角を狙った密猟者によってサイが殺される事件が急増。アフリカ全土では過去10年で7100頭以上のサイが密猟の犠牲となった。

 サイの角の粉末はがんなどの病気に効くとしてアジアで珍重され、闇市場では金やコカインを上回る1キロ当たり6万ドル(約650万円)もの高値が付くことがある。
【翻訳編集】AFPBB News