名物の「博多やりうどん」(750円)。温かなツユの上にはふわふわの丸天、丼の上には約32cmのゴボウ天がのる

写真拡大

1967年(昭和42年)に折尾駅で開業以来、“気軽に立ち寄れる博多うどん店”として地元民に親しまれてきた「やりうどん」が、2017年の50周年を節目に「博多やりうどん」として福岡県内にある7店舗すべてをリニューアル。長年親しまれてきた博多の味に、洗練さと地域密着の要素を加えてさらなる進化を遂げようとしている。

【写真を見る】黒田藩の家紋をデザインに取り入れたオシャレな外観は、西鉄福岡(天神)駅のコンコースで一際目立っている

■ 槍に見立てたゴボウ天がのる一杯はインスタ映え100%!

名物の「博多やりうどん」(750円)は、黒田藩の家臣・母里(もり)太兵衛が賤ヶ岳の七本槍の一人・福島正則から拝領した「日本号」という槍をモチーフにしている。丼にのる約32cmのゴボウ天は、揚げたてサクサク。博多うどんの定番トッピングである丸天は自家製で、ふわふわとした食感が楽しめる。7月19日からは「博多やりうどん」で使うゴボウ天を丼に3本のせ、天下三名槍を表現した「天下三槍(てんかさんそう)うどん」(750円)がメニューに登場。どちらのうどんも写真に撮ってSNSで自慢したくなるほど、見た目のインパクトは大だ。

■ リニューアルでより洗練された味と店構えをチェック!

まず注目すべきは、半世紀守り続けてきた“味の一新”だろう。「かけうどん」(360円)などに使うツユは、長崎県産のアゴや鹿児島県産のカツオ、熊本県産のウルメイワシやサバといった九州産の厳選食材でダシをとり、より香り立つ深い味わいに。麺は、博多うどんの特徴である柔らかさを保ちつつ、福岡県産の小麦を使って今まで以上にモチモチ感が伝わるように改良した。

現代風に生まれ変わったスタイリッシュな外観も注目だ。デザインに取り入れているのは、江戸時代に福岡を領有していた黒田藩の家紋。福岡店の入口横にあるデジタルフォトフレームでは、おしながきや博多うどんの歴史を知ることができる。

■ 福岡店ではチョイ飲みスタイルの“うどん居酒屋”的な使い方もOK!

冷たいうどんで麺の魅力を楽しむなら、「牛肉のぶっかけ」(800円)がおすすめ。甘辛く煮た牛肉のうえに温泉卵と食べるラー油をのせ、食感のアクセントとして揚げ玉をまぶす。通年でツルリと行ける一杯は、暑い夏だけでなくうどんの〆にもピッタリだ。

福岡店では今後、西鉄福岡(天神)駅のコンコースにあるという立地を生かして、居酒屋的なメニューや日本酒などアルコールの種類を充実させる。「晩酌セット」(1000円)は、生ビールと日替りのおつまみ3品がセット。生ビールは+300円でお替りができる。9月中旬よりおでん、鍋もメニューに登場予定。仕事帰りや電車が来るのを待つ間、チョイ飲みや〆のうどんを楽しむ人が増えそうだ。福岡空港内には、「博多やりうどん」の上位ブランド「博多やりうどん別邸」もあるのでこちらもチェックしよう。

【九州ウォーカー編集部/文=西田武史(シーアール)、撮影=菅祐介】