サポーターと勝利を喜ぶ川崎の選手たち。初のベスト4進出へ大きな勝利を挙げた。写真:徳原隆元

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[ACL準々決勝]川崎 3-1 浦和/8月23日/等々力
 
 攻める川崎と守る浦和。戦前の予想通りの展開となったACL準々決勝の第1戦は、ホームチームの好調ぶりが改めて表われる一戦となった。
 
 序盤こそ5バックを敷く浦和を攻めあぐねた川崎だが、「勝利を求めて攻撃的に戦いたい」と、前日会見で鬼木達監督が語っていたとおり、自慢のパスワークで相手の激しい寄せをいなしながら、徐々にゴールへと近づいた。
 
 そして33分には、左サイドを突破した中村憲剛のクロスを小林悠が冷静に流し込んで先制に成功する。浦和が狙いとしていたカウンターも、奈良竜樹、谷口彰悟のCBコンビを中心にほぼ完璧と言って良いほど抑え、主導権を握った。
 
 すると50分にはE・ネットのスルーパスに抜け出した小林が強烈なシュートを放ち、GKが弾いたところをエウシーニョが詰めて追加点をマーク。76分には最終ラインの乱れから武藤雄樹に抜け出されて、1点を返されるも、85分には家長昭博のクロスを小林がヘッドで決めて突き放した。2点のリードを得て、アウェーでの第2戦(9月13日)に臨めるのは非常に大きい。
 
 この日の川崎でチームの成長を感じたのは2点。まず、ひとつ目は、前半は浦和にゴール前を固められながら、焦れずに攻め続け、加えて守備でも綻びを出さなかった点だ。これまでの川崎と言えば自分たちのパスサッカーに固執するあまり、その反動で失点を繰り返す場面が少なくなかった。
 
 また、2つ目として1点を返された後に気落ちせず、3点目を奪い切る力強さを見せた点だ。もしここでチームとしてぐらついていれば、同点に追いつかれる最悪なケースが起きていたかもしれない。
 
​​​​​​【ACL川崎3-1浦和 PHOTO】ホームの川崎が小林悠の活躍で浦和に先勝!
 確かに新体制となって間もない浦和が、まだ戦い方を徹底し切れていなかった点は留意しなくてはいけない。しかし、中村憲剛もチームの成長に手応えを語る。
 
「ここ2か月くらいで(やり方が)整理されてきて、鬼(鬼木)さんがやりたいサッカーを体現できるようになってきた。人とボールを動かしながら、人も出ていくサッカーにプラスして、握り倒すこともできる。取られた瞬間の切り替えや球際(での強さ)、そういうのができないと今は試合に出られない。そういう意味で選手の意識は高まっている。あとはどれだけ自分たちの質を高められるかだと思う」
 
 今季のACLはグループステージ初戦から4試合連続で引き分けるなど、おぼつかない足取りでのスタートとなった。しかし、鬼木監督の下で徐々に骨格を固めたチームは少々の衝撃では崩れない力強さを身に付けていた。
 
「ベスト8(進出)はチャレンジと言う意味では順調に来ていると思う。ただ、タイトルがすべてだとも思う。そこに行きつかないと成功とは言えない」
 
 指揮官が話すように、次の2ndレグで初のベスト4進出を決めても、チームの目標はまだ先だ。もっとも“らしい”攻撃的なスタイルに加え、“らしくない”実務的な守備の強さを加えた今のチームが、どこまで勝ち進めるのかは非常に興味深い。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)