スイミングを習わせたい旦那VS超ド級の水嫌いな娘 -- 30日間にわたる”スイミング戦争”、勝つのは誰!?

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キラキラ輝く夏の醍醐味、水遊び。水のはじける音とともに聞こえてくる、子どもたちの楽しそうな笑い声。その中で、暗い雲をまとい、ひとり水に背を向け必死に目をつむっている女の子……うちの娘です。

これは、娘の幼稚園で行われたプールでのひとコマ。親の見学可ということで、見に行ってはみたもののまぁ予想通り(笑)。そう、娘は超ド級の水嫌いなのです。

そんな娘を心配するあまり、いよいよ強制的にスイミングを習わせようとする旦那。しかし何が何でも習いたくない娘。そんなふたりの約1ヶ月にもおよぶ戦いの火ぶたが今切って落とされます。

たかが水、されど水。極度な水嫌いの娘を想う旦那

「水嫌い」とはひとことで言っても、いろいろ。とにかく娘は、顔に水がつくのが何よりも大嫌い! 朝起きて顔を洗うなんてもってのほか、顔を洗うときは固〜く絞ったタオルで拭くだけです。

水嫌い最大の敵であるお風呂では、必ず片手に乾いたタオルをもち、頭や体を洗う際にずっと顔を隠しています。顔に水が一滴でも飛んでくるものなら、まるでお腹をナイフで刺されたかのような苦しみと悲鳴、そして号泣。娘にとって「顔に水がかかる」とは、生きるか死ぬかに匹敵するほどの恐怖なのです。

なぜ娘はこんなにも、水に恐怖を感じるようになってしまったのでしょう?



あれはまだ娘が2歳になりたての頃。娘に「水って楽しい」を感じてもらおうと連れていったプールでの出来事です。

隣で楽しそうに水に飛び込む親子、それを見た旦那が娘を抱いてプールへドボン……(飛び込み禁止だよ!)。ほんの一瞬ではあったものの、息はできないし鼻に水は入るし、ただただ苦しいだけのようだったはじめての水中。それ以来、もともと嫌いだった「水」がコブラとマングースのごとく、娘にとっては天敵となってしまったのです。

それから3年間、自責の念にかられていた旦那は、何とか娘に水嫌いを克服して欲しいと願いつつ、何にも動けずにいました(※下手に動くと筆者に怒られるため。だってあなたのせいでしょ?)。

そしてはじまる幼稚園のプール開き。約1ヶ月にもおよぶプール指導は、娘にとって何よりも辛いはず。娘は常にプールの一番端っこにいて、今すぐにでもプールから出られる体勢を取り続けながらプールを何とかやり過ごします。あぁ、せつない……(涙)。

誰にでも苦手なことはあるし、不得意があるから人間は謙虚さを学ぶ、と思っている筆者は、可哀想ではあるけれど、このままもう少し様子を見たいと思っていました。……けれど、そうはさせぬと旦那は立ちあがります。

旦那「スイミング……習うぞ! 泣いてもいい。無理矢理連れていく!」

(ん? 連れていく……? のは、結局私だよね?)旦那の尻ぬぐいをさせられる予感がした筆者はすかさず反対。泣いて嫌がる子どもを習い事に連れていく労力は相当なもの。そこまでスイミングを習わせることに力を注げないし、絶対に行かなくなる気がする(筆者が)。その旨を話すと

旦那「土曜日に開講しているスイミングスクールを探して、俺が連れていく! 娘、お父さんと一緒に頑張ろう!」

そのとき、娘の絶望に満ちた泣き叫び声が響き渡りました。「この世の終わり」を見た瞬間って、人間こんな顔をするのかな……なんて冷静に見てしまう筆者。

娘「絶対にイヤ!!! パパなんか大嫌いっ!!!」

そんな攻防を繰り返すふたり。さてどうなるのでしょうか……?

泣いて嫌がる娘。そしてはじまる父と娘の30日戦争

「行け!」「行かない!」「もう首根っこ捕まえてでも連れていくって決めたから」「パパのバカーーー!」そんなやりとりが続く中、ひとつ提案をしてみます。

「とりあえず(パパの無理矢理はろくな結果を生まないから)、娘に猶予を与えてみたら?」

すると即座に

旦那「幼稚園のプールが終わるまでの1ヶ月の間に、水中にあるおもちゃを顔をつけて取れるようにならなければ、スイミング習うから!」

ハードル高いな〜……と思いきや、

娘「わかった。できたら絶対に行かない!」

わぁお! こんな不利な条件をのむなんて、相当スイミングに行きたくないのね(笑)。

そして、はじまる父と娘の30日間戦争 in 風呂場。



/紊亡蕕鬚弔韻襦弊面器)

⊃紊亡蕕鬚弔韻董鼻から息を吐きだす(洗面器)

E鯀イ防,泙覇り、鼻から息を吐きだす

づ鯀イ療鯲未鮑蚤腓砲掘下にあるおもちゃを取る(目をつぶっていても可)

きっちり 銑い泙任侶弉茲立てられ、旦那の帰りが遅い日は筆者も付き合うことに。

水嫌い克服の難しいところは、その大きな一歩を自分でクリアしなくてはならないことです。

今まで水に顔をつけることが何よりも怖かった娘が、自分で洗面器に顔がつけられるようになるとは到底思えなかった筆者。案の定、洗面器を目の前にした娘は震えて泣き「怖い怖い」を連発。そんなこんなで、何もできずに3日が経過します……。しかし諦めない旦那。

旦那「逃げるな! 頑張れ! お前ならできる! 自分を信じろーーーー!」

風呂場から聞こえてくる、「あれ? 松〇修造さん?」と勘違いするほどの熱いエールの数々。旦那の熱気と娘の涙で、風呂場はミストサウナ状態に。

そして5日目にとうとう奇跡が起こります。やるしかない……やらないとイヤなスイミングが待っている……。そう覚悟を決めたのでしょう。

あの娘が……自ら洗面器の水に顔をつけられたのです!!!

旦那・娘「できたーーーーー!!!!」



ものすごい歓喜に沸く風呂場。まるでオリンピックで金メダルを獲ったかのように、抱き合い喜ぶ監督(旦那)と選手(娘)。よく頑張ったね、娘! (顔を水につけられただけです)

しかしさすがは子ども、そこからは早かった。もちろん恐る恐るではあるものの、∪面器の水に顔をつけ、鼻で息を吐き、E鯀イ任睥習……2週間で着実にステップアップしていきました。

スイミングに行くの? 行かないの? 勝敗はどっちに?

いよいよ、最後のづ鯀イ猟譴膨世爐もちゃを取るというターンに入った娘。水嫌いの子どもは水位にも敏感です。湯量が最大になった時点で、またベソをかきます。そこへすかざず浴槽の外から

旦那「大丈夫だ。ここまでできたんだから絶対にできる。あとは自分を信じるだけだ」

と手を握り、どこまででも娘に寄り添う旦那。

意を決して潜る娘、顔に水がついても前みたいにいちいち泣きません。ただ目をつむっているので水中のおもちゃが見えずに、なかなか苦戦。がんばれーーーー!!!

取れなくて何度も何度も潜る娘。その姿に、つい3週間前までは想像もできなかったほどの成長を感じ、なぜか筆者そこで涙……(取ってから泣きましょう)。

そして、潜る前におもちゃの位置をしっかりと確認し……

家族「取ったーーーーーーー!!!」

とうとう取れました! やったーーー! おめでとう!

家族で喜びあった次の瞬間……「これでプール習わなくてもいいよね?」といきなり現実に引き戻す娘。そりゃそうだ。そのために頑張ってきたんだもんね。

旦那「う……うん……」

どうやら、娘がスイミングを習いたくない一心で頑張っていたということを、旦那はスッカリと忘れていた模様。どうせ娘はできないだろうとタカをくくり、スイミングを習わせる気満々だったようで、若干煮え切らない返事をします。嬉しいけれど、素直に負けを認められない旦那。まさに、子どもの成長に親の成長が追いつかない(笑)。

この勝負、娘の勝ち〜! と思っていた次の日、娘が予期せぬひとことを発します。

娘「パパ、やっぱりプール習うね」

あれ? どうした? やっぱりこの勝負、旦那の勝ちなのか?

喜ぶ旦那は気づかない。本当の勝者がいたことを……

この発言に喜ぶ旦那は「俺の気持ちが伝わった!」と有頂天です。さっそくスイミングスクールを決めるふたり。でも、娘はなぜかAスイミングスクールを譲りません。その時点で旦那にも疑問を持ってもらいたいところですが、「俺が娘の道を開いた!」と上機嫌。「じゃあ、そこに行こうね。ママに申し込んできてもらおう!」とウキウキです(結局申し込みは私かよ……)。

おかしい……こんなにも急に心変わりするものじゃない。娘の心中を知りたい筆者。でも何故だろう……旦那がいるところで聞いてはいけない気がする……。



次の日、いつも通りに幼稚園へ送りに行った帰り。クラスメイトのB君のママに呼び止められる筆者。

「娘ちゃん、Aスイミングスクールに入るんだって?」

……もしや……

「うちの息子も通っているんだけど、火曜日の先生がおススメだよ!」

やっぱりーーー! B君とは、ただいま娘と婚約中(?)の男の子。

水にちょっぴり自信をつけた娘は、B君との会話のやり取りの中で一緒にスイミングに通うことを快諾。同じ曜日にしようね〜! とラブラブのご様子。

女子の動機は恋からはじまる……本当の勝者は、B君だったのでした……。



旦那よ……真実はとりあえず闇に葬っておくよ(いつか分かると思うが)。今は存分に、娘をスイミングに導くことができた達成感を味わってくれたまえ。

でもあなたの頑張りがあってこそ今の娘がある。これからもめげずに寄り添い続けてあげてね! 真実を知って、また「父親やめたい」とか言わないでね。

旦那の切ない気持ちがちょっぴり分かった瞬間なのでした(笑)。

文・ブルゾンするめ